太陽の当たる場所 9

4U 18 side 2 ページ30

具体的に
一緒に住む話を
Aと話し始める。

家賃の支払いとか
光熱費をどうするかとか
ご飯代をどうするかとか。



一緒に住むにあたり
一番Aが気にかけてそうなのはバイクの事だった。



確かに勤め先のガレージにバイクを置きっぱなしも
オーナーさんに申し訳ないし

「バイク乗る時間なくなっちゃうのがなー」

バイクに乗るのが大好きなAが悲しそう。



確かに今まではAもここに帰って来る日が週に数回あったけど
これからは忙しくなる事を考えると俺の家がどうしたってメインになっちゃう。

Aの勤め先がうちの近所過ぎて
バイクに乗るとしても運転も3分乗るかどうか。
エンジンが温まる前に着いちゃうよね。



「たまに郵便物とか取りに帰るけど」

「いいじゃん、うちに転送してもらえば」

「ダメだよ、いくら郵便局や宅配業者に守秘義務があってもどこでバレちゃうか分からないよ？」



なんだかんだAはその辺まで考えててくれてて
その辺に理解があるからありがたい。



「バイクの駐車場はオーナーに相談するとして、たまにここに郵便物取りに帰ってまたニカんちに行くよ」

「え、大変じゃん」

「別に平気だよ。バイク乗れる方が大事っ」



嬉しそうにAは笑うけど。

「疲れてる時に運転したら、疲れちゃわない？」

「そうなったら私はこっち泊まって帰る」

「…えぇーーっ」

それじゃ一緒に住む意味無いじゃん。



口を尖らせちゃうと

「なに、ニカってばそんなに私と一緒に居たいの？」

Aが笑って言うから

「うん」

素直に頷くとAが照れて

「……そっかぁ」

嬉しそーーに笑う。



あーもう、なんなの？
ホントめっちゃ可愛い。



「出来るだけ帰ってくるし」

「うん」

「そもそも疲れてる時に行かないから」



クスクス笑うAは

「私もニカと居たいからね」

嬉しそうに言う。



やったね。



「ん」

頷いてAの頭をグシャグシャって撫でると

「痛いっ」

「知らない」

抗議するAを無視して撫で続けた。



「痛いってば」

「ふーん」

「やめてっ」

「やめない」

「ニカの馬鹿力！痛いからやだっ」

「へー」

「ニカのバカっ」

「バカってゆー方がバカでーす」

「ニカバカニカバカ」

「もー！口悪いっ！悪いのはこの口かっ！？」



Aのほっぺを引っ張ると

「ニカいたいっ」

言いながらAも笑ってて俺も笑って。



ほろ酔いなのもあって
しばらく2人で笑い続けていた。

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