after ただ君と 12 ki ページ34
ポカポカの日差しと
Aとキヌエさんの手のぬくもりで
いつの間にか眠っちゃって。
気づいたら部屋に誰か居る。
「Aさん、楽しみにしてましたよー。今日はお孫さんと彼氏さんが来るって昨日からご機嫌でした」
話から察するに医者か看護師か。
でもそれより『彼氏さん』が嬉しい。
人からAの『彼氏さん』って言われるのが初めてでめちゃくちゃくすぐったい。
勝手に顔がニヤけるけど
起きてるのがバレるのも至近距離で人に顔を見られるのもやべぇし。
その人が出てったのを確認してAにもたれて寝てたのを詫びて
「……『彼氏さん』だって。初めて言われたー」
自分でもニヤけるのが分かっちゃいながら言うと
Aも耳まで真っ赤になってる。
「んふふふっ」
「………」
照れてるAが新鮮で可愛くて肘でAをグリグリすると
Aと重ねてる手がピクッて動く。
思わずAと顔を見合わせてキヌエさんを見ると
キヌエさんがゆっくり目を開けた。
「おばあちゃんっ」「キヌエさん？」
声を掛けると俺たちを見て嬉しそうに笑う。
「……あら、2人お揃いで」
今までよりゆっくりした口調でキヌエさんが言う。
あぁ、やっぱそーゆー事だよな。
ギュッと俺たちの手を握るキヌエさんの力も弱々しくて。
俺が何だか泣きそうになったのに
「うん、2人で来たよ」
Aは普通に答えてる。
「仲良くしてるのね」
「うん、大切にしてもらってる」
なんていつもすげーひどい事してんのにAは優しい。
キヌエさんに心配掛けねーよーに言ってんのかも。
「良かったわー。…北山くんも、忙しいのにごめんなさいね？」
ギュッと俺の手を握って言ってくれるキヌエさんの手は温かくて。
「いえ、俺が会いたくて来てるんで」
「うふふ、相変わらず優しいわね」
キヌエさんは少し泣きそうで
マジで俺の方がヤバい。
「ね、おばあちゃん。外はいい天気だよ」
「あら、ホントね」
「ポカポカだから私たちもいま少しお昼寝しちゃった」
「あらあら、いいわねー」
ゆっくりしたテンポでAがキヌエさんに話してて。
Aはキチンと覚悟してたんだ、って思う。
なら、俺も。
「キヌエさんの手が気持ち良くて」
「あら、ふふふふふ…」
ゆっくり語りかけるとキヌエさんが笑う。
そんな俺を見てAが少し目尻を下げる。
あ、正解なんだ。
嬉しくて俺もキヌエさんに笑う事が出来た。
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shizu(プロフ) - ごまさん» コメントありがとうございます！続編ちょこちょこ書いてますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです🍀 (2023年4月6日 7時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ごま(プロフ) - このお話本当に大好きでした。完結してくださりありがとうございます。 (2023年4月5日 0時) (レス) @page50 id: 65630f1c21 (このIDを非表示/違反報告)
智子(プロフ) - わーい！！またこの2人に会えるのですね😍楽しみに待ってます！！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 87449810a3 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - みさん» また書けるようにあっさり、それでも2人らしく終わらせてみました！コメントありがとうございます🍀幸せな気分になっていただけたなら嬉しいです❤️ (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 智子さん» なんだかんだこの2人大好きなので多分ちょこちょこ書きます🍀既にいくつか書きたいので(笑) (2023年3月28日 9時) (レス) id: 4bd01c80d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年6月21日 20時
