太陽の当たる場所 8

never 4 ページ5

ニカと会った次の日
仕事に行くと
愛子さんが大量のレモンをくれた。

「農薬使ってないから傷み早いけどものすごく美味しいのっ」

確かに不揃いだったけど
それで作ってくれたハチミツレモンがものすごく美味しくて
愛子さんにレシピを聞いて家でも作る。



ついでにレモン水や
昔おばあちゃんに教わったレモンの入浴剤を作った。

焼酎を無糖のソーダ割りにして
レモンを入れたらものすごく美味しくて。

これはしばらくハマりそうだな、なんて思う。



週末。

ニカから



ニカ明日行くよー!

LINEが来てた。

ニカ用にレモン水を作っておく。
飲まなきゃ私が飲めばいいし。



うちに帰ると
ニカの靴があった。

けどリビングは真っ暗だから
ニカはきっとバルコニーだろう。

バスルームに向かうと
レモンの皮で作った入浴剤を入れてバスタブにお湯を張る。



ニカにレモン水とハチミツレモン作ったけど
食べてくれたかな。



考えながらぼーっとシャワーを浴びて
湯船に浸かる。

レモンの香りに癒されながらホッと一息つく。



ニカはこの前の事忘れててくれてるかな。

むしろ、私とずっと一緒にいたいって言ってくれてた事も忘れててくれないかな。



…老人ホーム預金をガレージを作る預金にするとか？

あ、でもそうすると
老人ホームに入るお金がなくなるか。



んー………。



考えてるとガチャッて音がしてニカが覗き込んでくる。



「え！何で！？」

「ノックしたのに返事してくれないからこっちもびっくりしたんだけど」



ニカは私が止めてもどんどん服を脱いで一緒に入ろうとして
シャワーを全開にしてガシガシと髪を洗いはじめる。



何だか湯船から出そびれて
ニカがシャワーを浴びてるのを眺めていた。



背中とか大きくて
腕のほどよい筋肉とかが何だかいいなーって思って
ドキドキしちゃいながら見てるとニカが

「なに？俺そんなにカッコイイ？」

ニヤニヤしながら聞いてくるから

「うん、カッコイイ」

素直に言う。



そしたらニカが照れだして

「……恥ずかしいから見ないで」

「ニカか後から入ってきたでしょ？」

照れてるニカが可愛いから何だかニコニコしちゃう。



あぁ、家にニカが居るっていいな。

そしてまたニカとの未来を夢見ちゃって
慌てて首を振る。

髪のしぶきがニカに飛んで

「わ、冷たっ！何？」

ニカがびっくりしちゃって。



「あ、ごめん、首振っちゃっから」

「もーおどかさないでよっ」



何とか誤魔化せた。

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