検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:89,525 hit

愛をこめて 3 T ページ4

「ただいまっ」

玄関からAの声。

「おかえりー」

リビングから返事をする。



声が弾んでるから
きっと上手くいったんだろーな。



「ただいまーっ」

リビングにやって来たAはやっぱりご機嫌で

「…千ちゃん大丈夫だった?」

声を掛けると

「うんっ、大成功!」

Aは笑顔でピースをしてくる。



良かった。



そして俺の隣に座るAは

「じゃーんっ」

カバンの中から袋を取り出す。



「…なに?これ」

「美味しいチャーシューと香味ペースト」



ニッコリ笑うAは

「これ入れるとチャーハンがものすごーく美味しくなるんだって!」

「へぇー」

「お腹すいた?」

中身を見せながら首を傾げて聞いてくる。



仕草が可愛くてニヤニヤしちゃう。



「うん」

「じゃあすぐ作るね」



Aは立ち上がると袋を持ってキッチンに向かって

「酒井さんにこれが美味しいって教わったんだー」

弾んだ声で言う。



そういえば最近酒井ちゃんが
ワタの影響で料理男子になったとか言ってたな。



でも

「酒井ちゃんね、もうすぐ担当はずれちゃうの」

「え!そうなの?せっかく…」

そこで言うのを止めて少しして

「…少し慣れてきたのに」

ボゾボソと言うから本当は違うこと言おうとしたな、って分かる。



「あー、Aいけないんだー」

キッチンに向かうと

「…何が?」

完全に嘘ついてるのが分かる顔をしてる。



「ホントは思ったこと違うんでしょー。すぐ分かるよ?」

火や包丁使ってないのを確認して近づくと

「違わないよ?」

答えるAは完全に目が泳いでる。



「言わないと、ちゅーしちゃうよ?すっごいやつ」

近づくと

「えっと……」

後ろに下がりながら逃げるAがちょっと可愛くて。



隅まで追いやって

トンッ

逃げられないように壁ドンをすると
真っ赤になってAが俺を見上げる。



「どうしたの?ちゅーしてほしい?」

聞いてみると

「……」

ギュッ、て俺の服の裾を掴む。



言えないならちゅーしちゃおっと。

かがみ込んでめっちゃ激しいキスをすると
Aから俺の背中に腕を回してくる。



…あれ?

ちゅーしていいの?



長いキスのあと、チュッて音を立てて唇を離す。



ふぅっ、て吐息を吐くAは

「どうしよう、お仕置なのにキュンってしちゃった」

うるうるした目で言うから。



もう今日はのんびりしよう。

「じゃあ、もっとしよっか」

しばらくチャーハンはお預けになった。

愛をこめて 4→←愛をこめて 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (181 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
502人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2022年3月14日 3時) (レス) @page48 id: 14edd87e20 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年3月4日 2時) (レス) @page44 id: 5e6481142e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月28日 1時) (レス) @page40 id: 66fc43380a (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月18日 2時) (レス) @page40 id: 053d1fe70b (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月4日 3時) (レス) @page40 id: 1a8a7fd8f9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:shizu | 作成日時:2021年3月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。