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愛をこめて 4 ページ5

今日は千賀さんのレッスンの日。

今日から本格的に
ライブの練習をする。

レコード会社の一室を借りて
半日かけてみっちりやる予定。



千賀さんに会うのはこの前の本番以来。

最終リハーサルでちゃんと弾けてた千賀さんを

「これなら大丈夫っ!ギリギリまでマッサージしますね」

って励まして収録が始まる直前までマッサージをして

「千賀さんなら弾けるので、あとは歌う人に合わせて演奏して下さい」

声をかけて送り出した。



私は本番を見届けたけど
千賀さんはそのまま収録をしていたし
裕太が待ってたから先に帰ったから会うのはその時以来。



今度のライブで千賀さんが演奏する曲は
ものすごく綺麗な曲だった。

しかも弾き語りに挑戦するとかすごいな。



どうやって教えようかな、って考えながら楽譜をめくっていると

コンコン

部屋がノックされる。



「はーい」

返事をして立ち上がると

「tamaちゃんっ!」

千賀さんが入るなり駆け寄ってきて
私に抱きついてくる。



「わっ」

「ありがとうー!ホントにホントにありがとう!」



そのままギューッて抱きしめられて。



「困ります!」



一生懸命押し返すけど男の人だからビクともしない。



フッと力が緩んだと思ったら酒井さんがいて

「千賀さん!tamaさんが困ってますよ!!」

ものすごく怒ってくれる。
引き剥がしてくれたのは酒井さんらしい。



「あ、ごめんね、つい…」

「つい、で済むなら警察は要りませんから」



我に返った千賀さんに酒井さんが怒って

「tamaさん、担当変えてほしかったらいつでも言ってください」

私に言ってくれる。



「えー!ダメ!!」

「それが困るならちゃんとして下さい」

「……はぁーい」



ムスッとする千賀さんだけど。



正直、抱きしめられたのは本当に嫌だった。
だから顔が引き攣っちゃう。



「本当にごめんなさい」



千賀さんに謝られるけどさすがに少し距離を取った。

そんな私に千賀さんが悲しそうだけど
気を取り直してまず打ち合わせをはじめる。



今回は本番ではグランドピアノを使って
後半はダンスをするらしい。

「ピアノって初めてですか?」

「うんっ」

「…なるほど」

となると。



「千賀さん、気づいてます?」

「え?」



本物のピアノということは

「足も使うんですよ?」

「ん?」

きょとんとする千賀さんは

「……ん?」

もう一回不思議そうな顔をした。



そして、私はそんな千賀さんに
前みたいに笑えなかった。

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りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2022年3月14日 3時) (レス) @page48 id: 14edd87e20 (このIDを非表示/違反報告)
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りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月18日 2時) (レス) @page40 id: 053d1fe70b (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2022年1月4日 3時) (レス) @page40 id: 1a8a7fd8f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年3月3日 18時

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