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シロツメクサ Ki 7 ページ30

今日は私の
34の誕生日だった。

「「「おめでとうございます」」」

皆がお祝いしてくれる。



小夜子ママから

「これは私から」

ブランドのピアスをもらった。



「本当におめでとう」

「ありがとうございます」



ものすごく可愛い。
嬉しいな。



「ヒロさん、これ私たちから」

皆からはバラの花束をもらう。
ツグミちゃんから受け取った。



「ありがとう」

「「おめでとうございまーす」」



拍手してもらって
あらためて皆を見渡すと

……あー、私、年取ったな。

なんて思う。



借金返済の目標達成して
何だか気が抜けてるのもあるんだろうか。



お客様も沢山来てくれた。

ボトル入れてくれたり
高いバッグをくれたり。



ありがたいけど
心にぽっかり穴が空いてる気持ち。



………潮時ってやつかな。

ぼんやり考えていた。



お祝いが長く続いて
お店が終わったのは明け方だった。

プレゼントを抱えてお店を出ると
いつものようにコンビニに寄る。

荷物を抱えてるから
お財布を出すのも一苦労。



プレゼントとコンビニで買ったものをレジで抱え直そうとしたら

「……あれ?」

聞き覚えのある声。



見ると北山さんだった。

ジャージ姿で少し汗をかいてるから
走った後なのかな。

手にしてる野菜ジュースが爽やかすぎる。



それに引き換え
私のいかにも朝帰りで夜の世界引きずった格好と荷物。



恥ずかしくなって

「どうも」

逃げるように帰ろうとしたら

「え!待って!!俺も帰るとこだから手伝うよ!!」

北山さんが慌てて荷物を持とうとしてくれるけど

「大丈夫ですっ」

言ったそばからプレゼントを落としちゃって

「あーもう、拾うから」

クスクス笑う北山さんは落としたのを拾ってくれて。



「すごいプレゼントだね」

「…まぁ」

「バラの花束とか生で初めて見たー。すごっ」



北山さんは何故かハイテンション。

彼女もいて
スーツで働くような会社で働いて
朝ランニングもするような勝ち組な北山さんと一緒にいると
どんどん虚しくなってくる。



「いい香りー」

香りをかぐ北山さんは

「バラもたくさんあるとこんなにいい香りするんだねー」

ニコニコして私に言ってくるけど。



多分歳の数だけあるんだろうね。

「34本もあればね」

「34本?」

「私の歳の数」

「え!!Aさん34なの?」

北山さんがものすごく驚いてる。



「え!タメじゃん!!」



年下だと思ってた北山さんの言葉に
今度は私が驚く番だった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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