この想いの結末は 9

after そしてそれから 11 ページ34

Aside


太輔に見てもらった次の日
さっそくトモちゃんにお礼の電話をする。



「さっそくありがとう！」

『いいえー。それにしてもびっくりしたよ！藤ヶ谷君と知り合いなんて』

「ねー、私もびっくり」

『彼氏よりいいなーとかなったりしないの？』

「あはははは、そこはさすがに…」



…実は彼氏が太輔って知ったら
トモちゃんどうなるかな。



『私の信頼してる人たちと最低限のメンバーで当日は組むから安心して』

「ありがと！」

『メイクとドレスも試着って事にして何とか出来そう』

「え！すごいっ」

『未来のお客様だからね、Aは。うち以外で挙式したら許さないからね』

「あははははー…」



挙式の予定なんてないんだけどな。
なんなら多分式なんて一生挙げないと思うんだけど。



「トモちゃんの結婚式、すごく良かったもんね」

『そりゃありとあらゆる権力駆使したもん。あ、そう言えばあの時のAめちゃくちゃ可愛いかったよね』

「え！ありがとう」



太輔がワンピースの背中が開きすぎって言って買ってくれたストールと
アコちゃんが買ってくれたイヤリングをつけて行った式がトモちゃんの結婚式で。

みんなが可愛いって褒めてくれて嬉しかったんだけど。

あの後式の写真を太輔に見せたらたまたま隣が男の子の写真があって
太輔が『やっぱりこのワンピース禁止！』って怒ったことを思い出す。

あのストールに合うワンピースまた探そうかな。



なんて話してたら玄関が開く音。
太輔帰って来たんだ。



少しだけ世間話をして

「じゃあまた日が決まったら連絡するね」

『はーい』

電話を切るのと太輔がリビングに入ってきたのは同時。



「おかえりなさい」

「ただいま」



チュッて重なる唇。

ようやくこの太輔リクエストの欧米スタイルにも慣れてきた。
そう呼ぶと太輔は怒るけど。



「電話してたの？」

「うん、見積送ってくれた友達に御礼の電話」

「あぁ、そうなんだ」



一瞬だけ。

本当に一瞬だけ太輔の目が揺れた。



「…太輔？」

「ん？」

「どうかした？」

「どうもしないよ？」



太輔は誤魔化すように甘いキスをくれる。



キスに溺れそうになりながら必死にキスに応えつつ
違和感が気になったけど

「あのね、候補のプレゼント考えた」

「…ん？」

「ペアのね…あんっ」

服の裾から太輔の手が入ってきて

「……とりあえず後で」

耳元でイケボで囁く太輔に溺れつつ、



…さっきの違和感が気になっていた。

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