この想いの結末は 9

after そしてそれから 9 ページ32

Aside

「サプライズ模擬挙式？」

仕事から帰ってくると太輔から
アコちゃんと武田さんへのサプライズの提案があった。



「そう。Aも言ってたじゃん？何かお祝いしたいねって」

「うん。したいしたい」

「でさ、思いついたの。多分アコは結婚式やるの別に抵抗ないんだけどマネージャーが嫌がってるんだよね」

「あー…」



武田さんがそういうタイプじゃないのは容易に想像できる。



「だからさ、チャペルでアコがドレス着たとこ見たいなって思えるようなことを出来たらなって思って」

「なるほど」


アコちゃんが綺麗なのは想像できる。
そして武田さんのタキシード姿はかっこいいだろうな。

それはアリかも。



そしてそれなら

「私、心当たりあるよ。そういうの協力してくれそうなチャペル」

「え！？」

太輔がびっくりしてる。



「式場で働いてる同級生がいるの。その子口が堅いし太輔が来ても誰にも言わないだろうから」



高校時代から仲が良い同級生のトモちゃんが結婚式場で働いてる。

高校の同級生の間では
私の彼氏は東京でサラリーマンやってる設定だし。

太輔とは仕事で知り合ったとでも言っておけば
どうとでもなるだろう。



「しかもそこの式場、めちゃくちゃ雰囲気いいの。海の近くだし」

「へー！」

「明日にでも連絡して相談してみる」



アコちゃん喜んでくれるかなー。
トモちゃんが太輔見て驚くのも楽しみだな。



「模擬とはいえ何か2人にプレゼントして交換できるといいよねー。指輪じゃなくて」

「…うん」



急に太輔の歯切れが悪くなる。



プレゼント交換が微妙だったかな？


でも何か記念になる物が欲しいよね。
何がいいかな。

前日にアコちゃんとプチエステとか行けたらいいな。
アコちゃんの爪の手入れくらいしたいなー。



ワクワクしてると
太輔が突然抱き締めてくる。



「どしたの？」

「……んーん、なんか抱き締めたくなった」



太輔の顔を見ると何故か悲しそうで。



アコちゃんが結婚するのが寂しいのかな。

それとも…



すると

「ごめんね」

突然切ない声で謝ってくる太輔。



あ。

もしかしたら、と思ったけど

「どうしたの？」

気づかないフリをして聞いてみると

「んーん、なんでもないよ」

やっぱり切なそうな声で返す太輔。




結婚のこと私が気にしてると思ったのかな。

でも太輔が言わないから私も言うのをやめた。



そして。

思いついた。
私が太輔に出来ること。

after そしてそれから 10→←after そしてそれから 8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す