この想いの結末は 9

after そしてそれから 4 ページ27

Aとのすれ違い生活4日目。

明日は俺はオフ。

Aはオープンで忙しいだろうし
朝どんなに早くても起きて見送りしようかな。



忙しいだろうから
ガッツリした朝ごはん作れたらいいよなー。

何がいいかな。

おにぎりとかパッと食べられるし喜ぶかな。



鮭好きって言ってたよなー。

鮭のおにぎりとか喜ぶかな。
そして今日くらいは起きて待ってようかな。



スーパーで鮭を買ってかえると
リビングに電気がついてる。



玄関にはAの靴。



帰ってきてるんだ。

しかも何だか美味しそうな香り。



仕事忙しいのに料理してるの？



「ただいま」

「おかえりなさい」



振り返って微笑むA。



あ、これやっぱり嬉しいな。



じゃなくて。



何してるのか聞いたら「お雑煮が食べたい」って言うけど

「明日大切な日でしょ？いいの？」

つい口調がキツくなっちゃったらAが半泣きになってる。



あーもう。
試験前と同じことになっちゃった。

余裕がない時のAは俺の一言で
メンタルやられちゃうんだった。



謝って抱き締めてキスをしたけど
機嫌が直った様子がない。



お雑煮をお餅を入れる直前まで作ったAは

「ホントだねー、疲れてたみたいで作って満足しちゃった」

なんて強がりを言ってお雑煮を食べずにシャワーに行っちゃった。



「シャワーありがとう」

「ん」

シャワーから上がったAは
少し元気になってるみたいで。



「先に寝るねーおやすみなさい」

「ん、おやすみ」

ちゃんと笑って寝室に向かってく。



シャワーを浴びて寝室に行くと
Aが眉間にシワを寄せて寝てる。



やっぱり納得いってなかったんじゃん。

こんな難しい顔で寝てたこと今まで無かったのにね。
どこか可愛い寝顔に笑っちゃう。



思わず抱き締めちゃうと

「…ん」

Aが起きちゃう。



「ごめん起こした？」

「んー…」

「すごい顔して寝てたからつい…」



頭を撫でるとAが抱きついてくる。



「…たい…あったかいね」

少し寝ぼけてるA。



『たい』って呼ばれ方にキュンとしておでこにキスをする。



「Aもあったかいよ」

「んー？そう？」

「ん。気持ちいい」

「たいの抱っこも気持ちいい」



モゾモゾと俺の胸元まで潜って
スーッ、スーッ、てまた寝息をたててAが寝る。



寝息が胸元にかかってくすぐったいけど。



ホントだ。
気まずくても一緒に寝るって大事だな。


なんて思って眠りについた。

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