サイボーグな彼女 12

好きすぎるから 18 ページ21

「あ」

飛行機が離陸する前。
スマホの電源を切ろうとしたら
LINEが来てたことに気づく。



「ん？」

宏光がスマホを覗き込んできた。




LINEはお兄からで
内容が理子ちゃんに送ったぬいぐるみとお菓子のお礼と
理子ちゃんとぬいぐるみのツーショットだった。



「んはー！かわいーー」

宏光の目尻が下がる。



「な、それ送って送って」

「…私の姪っ子の写真なんて必要ですか？」

「いいじゃん、かわいーもんはかわいーんだから」

宏光は私のスマホを勝手に取り上げると操作して
自分のスマホにLINEしてる。



「あーかわいー」

「…はぁ」

「目に入れても痛くないかもな」

「そうですか」



変わってるな、宏光。
私が言うなら分かるけど。

子供好きなのは薄々分かってるけど
ここまでとは。



「あ！このババさん俺も半分出すから」

「え、いいです。私が出すので」

「だめー。俺も出す」



宏光は財布を取り出そうとしてるから

「ひとまず着いてからにしましょうよ。今じゃなくても…」

「そうすっとぜってー忘れるからダメ。実際今まで忘れてたし」

慌てて止めたのにお金を渡してくる。



少し多めなのはラッピングや送料気にしてるんだろうか。


そして宏光のスマホも光る。

「ほら！お兄さんから俺んとこにも連絡来た」

お兄からの『プレゼントさんきゅ』のメッセージを見せてくれる。



「理子ちゃんの写真ないー。これ絶対お兄さん俺に送る気ねーよな」

宏光は笑って財布をしまっちゃう。



結局話しながら自然に受け取っちゃった。

何だろ、上手いなぁこういう所。



仕方なくもらったお金を私もしまう。

「じゃあ、いただきます」

「ヤな思いまでさせてるからホントは全部出したいんだけど」

「絶対ダメです」

「…ってゆーだろーな、と思ってたよ」



少し俯いて上目遣いにして
ニッて左側だけ口角を上げて宏光は笑う。



あ、この顔好きだな。



「飲み物とか来たら起こしてなー」

「はい」

「機内食アイスだったよなー起こせよ、絶対」

「はい」

「起きなくても叩き起こ…」「わかりましたってば」



食い気味に答えると宏光は笑ってブランケットを被ると
1度こっちまでブランケットを掛けてきて私の手を一瞬ギュッて握る。



びっくりして宏光を見ると



「…おやすみ」



驚いてる私にまたニヤッて笑って宏光はブランケットを自分に寄せて目を閉じる。



…完全にからかわれてる気がする。

けど、嫌じゃない。



ドキドキした。

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