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秘めた想い T -side T- 16 ページ8

会社に行く。

灯りはついてるから誰かは居るだろう。



そっとドアを開けて
入口付近にある総務を見ると誰もいない。

けどAのパソコンがついてるから
離席してるだけっぽい。



奥から話し声が聞こえてその中によく聞く声。



あれ?A?

そう思って行くと転んでるAに課長が手を差し伸べてそれを避けて
泣きそうな顔でAが立ったところで。



あんなとこで何してんだ?



「何してんの?」



声をかけたらAがホッとした顔をして
課長は苦い顔をしてる。



「へぇー、玉森と今からここでシようとしてたんだ?」



課長がニヤニヤ気持ち悪い顔で笑った。



する?何を?

会社で仕事以外に何すんの?



「……は?」

思わず聞き返したのと

「失礼します!」

Aが事務所を飛び出したのは同時。



あっ気に取られる俺に

「お楽しみのとこ邪魔して悪かったね」

課長も帰っていった。



何がなんだか分からない俺は
とりあえずAの席に行くと
パソコンは立ち上がったままだし
ロッカーの鍵もここにある。

マグカップはまた新しいものだった。



そしてファイルの下に隠された紙の束。
今朝新人2人に頼んだ伝票だった。



何でこれがここにあんの?

しかもこれをアイツらに渡した時
Aいなかっただろ?



疑問に思いながらAのパソコンを立ち上げると
この伝票の入力画面。



どーゆー事?



Aが帰って来ないから待ちながら伝票を全部作る。

それでも帰って来なくて22時を回る頃
ようやくAが戻ってきて俺の顔を見て『マズイ』って顔をする。



「…何してんの?」

「課長は?」

俺の質問にさらに質問を返すAは明らかに怯えていた。



帰ったことを伝えるとホッとしててやっぱりおかしい。



あの2人のことと課長のことを問い詰めたら
『課長』ってワードだけでAが泣きそうな顔をする。



今までこんな顔を見た事なくて驚いてると
Aもマズイって顔をした。



それが答えじゃん。



でもAはその場から逃げようとしたから手を捕まえて離さなかったけど

「もう放っておいて!」

思い切り手を振り払われる。



「もういいでしょ!?今まであの子たちの仕事を私がやってたとしてなにか玉森くんに迷惑かけた!?」

そう言うAは涙目で

「課長になにか言われたとしてそれが玉森くんに関係あるの!?」

言い切ってから気づく。



とっくにAは限界で

ここまで追い詰めたのは俺だったんだ。

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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

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