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秘めた想い T -side T- 15 ページ7

少ししたある日。

給湯室に行くと
マグカップの欠片が落ちてる。

特徴的な模様だったからすぐにAの机によくあったやつなことを思い出した。



ゴミ箱を覗くと不燃ごみのところにマグカップが捨ててあった。



…割っちゃったのかな。



そう思った3日後くらいにまた欠片が落ちてる。
最近Aの席で見たマグカップだった。



また割っちゃったの?



首をかしげてたら宮田が通りかかった。

「お、宮田久しぶり」

「Aちゃんどうしたの?」

挨拶より先に宮田が聞いてくる。



「絶対おかしいよね」

「そう?」

「ホントに彼氏出来たの?全然元気無いし痩せたよね」

そう言いながら宮田が俺をじーっと見てくるから目を逸らした。



「…タマ?何か隠してるよね?」

「…別に何も?」



そう言ってその場は逃げたけど
帰ろうとしたところを宮田に捕まる。



「分かってるよね?」



そう言う宮田は笑ってたけど
目は笑って無かった。



引きずられるように連れてかれて
飲みに行って
新人たちの前で言った事や
課長がおかしいことを話す。



「あのね、タマ」

「なに」

「何でこうなるまで黙ってたの?」

「…だって」

「だって、じゃないでしょ。これ絶対Aちゃん何かあったよ」



宮田が言うけど
本当は俺だって分かってる。



「Aちゃんだって出来たって発言は言葉が足りなさ過ぎだし、そりゃAちゃんも怒るよ」

「…わかってるよ」



それだってわかってる。
Aが怒って無ければ少ししてすぐ話してくれるはずだったし。

他の誰でもない俺に言われたことが嫌だったのもすごく分かる。



「Aちゃんそんなにいま忙しいの?」

「…多分そうでもないはず」

「なのに何で昼休みまで仕事してるの?」



そう、それもおかしい。
しかもさらに残業してるってどーゆー事?



「宮田が聞いてよ」

「…今の話の流れで俺が『うん』って言うと思う?」



突き放した言い方だけどどこか優しい口調で宮田が言う。

「分かってるよね?」って意味を込めて言ってるのもわかる。



「また皆で遊びたいじゃん」

「…うん」

「ちゃんと話せばAちゃんも分かってくれるから」

「…だよね」



それはそう思う。



だから謝ろうと思って次の日から様子を伺うけど
何だか忙しそうで
全然話し掛けるタイミングも勇気も無い。



結局話せず家に帰ってたらスマホを忘れて帰ったことに気づく。




…あ。

まだA仕事してるなら話せるかな。

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shizu(プロフ) - りぃ☆彡さん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。やっと繋がりました。短編のつもりだったんですけどね…楽しみにしててくれて嬉しいです! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はとさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。ようやくエンディングに向かいます! (2020年3月18日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りぃ☆彡(プロフ) - はじめまして。いよいよ主人公サイドと繋がりましたね!続きを楽しみにしています! (2020年2月20日 22時) (レス) id: de1f37d540 (このIDを非表示/違反報告)
はと(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみにしています。玉ちゃんがこの後、どんな行動にでるのか楽しみです。 (2020年1月26日 0時) (レス) id: bf18adaee4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月24日 7時

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