拾ってください。

俺を拾って下さい 5 ページ10

裕太が来た次の日。

スーパーで途方に暮れる。



人のためにご飯作ったこととかないんだけど。



お茶碗もお椀もないけどどうしよう？



スーパーでウロウロしてると
スーパーの2Fの百均でまぁまぁの柄のお茶碗やお椀を見つける。

お箸を含めて一式買うと裕太からメールが来る。



裕太予定通り18時頃行くよーん



『よーん』じゃないよ、ホント。

どうしよう？



時計を見ると16時。
慌ててスーパーまで戻って食材を買う。

お肉も買うと急いで家に帰ってご飯を炊いたりいろいろ作る。

野菜は切ってある煮物用のやつでズルをして。
千切りキャベツも既に切ってあるやつを買った。



緊張しながら豚汁を作って
お肉を焼くだけにして待ってるとチャイムの音。



ドアを開けると裕太がいる。



「やほー」

「こんばんは」

「なになにー？他人行儀だねー。はい約束のアイス」

そう言ってアイスを私に渡すとズカズカあがる裕太。
見ると結構並ぶハズな有名なお店のアイス。

並んで買ってくれたのかな。
しかも結構な量。



裕太は手を洗ってうがいをしてから
そのままキッチンに向かってくる。

「あー、いい匂い」

「…そう？」

「わー豚汁だー！ホントに作ってくれてるー」

そう言って冷蔵庫を開けてる。



「お水もらうねーん」

「はぁ」

冷蔵庫を勝手に開けてることについて注意する間もない。



「あとお肉焼くから待ってて」

「はーい」



お肉を焼く間もテーブルでお水を飲んで待ってる裕太。



「…お料理得意なの？」

「全然。しかも人に作るの初めてだけど」

「えー」

裕太がびっくりしてる。



「彼氏さんとかには？」

裕太が聞いてくる。



…引くかな。

でも仕方ないよね。
本当のことだから。



「居たことない」



そう答えると

「へーそーなんだ」

驚きもしないで答える裕太。



「じゃあAの作るご飯食べる人第一号だね」

ニコッて笑う。



裕太の方が年上なのにこう言っていいのか分からないけど

…すごい可愛い笑顔。



「いいにおいーもうできる？」

「あ、うん」



慌ててフライパンの火を止めてお肉を盛り付ける。

ご飯や豚汁もよそって裕太の前に置く。



「「いただきます」」



裕太の反応が怖い。


豚汁を一口飲む。



「おいしー」



裕太がニコッて笑うからホッとする。



「良かった」

「ふつーに美味しいよー」



パクパク食べてくれてる。
豚汁はおかわりもしてくれた。




良かったー。

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