拾ってください。

特別な日に 3 ページ28

告白された後で
ペット宣言されて。

交代でシャワー浴びてから
並んでソファに座ってる。



裕太はスマホのゲームに夢中になってて
私は楽譜を見ながらぼんやりしてた。



さっきはパニクって泣いちゃったけど
冷静に考えてこの状況何？



こんなにイケメンにハグされて告白されて
それを振ってペットにするって。



なんか昔男の子をペットにして飼うドラマやってたよなー。

それ的な？



でも裕太は別にうちで暮らしてないし。

放し飼い的な感じ？



なんてぐるぐる考えてたら

「ねぇ、楽譜って面白い？」

裕太がふと聞いてくる。



「んー、面白いとかはないかな」

「そーなの？でもさっきからずっと見ながら色んな顔してるじゃん」

「あ、ホント？」



正直全然頭に入ってなくて裕太のことをずっと考えてた。



…なんて言えないから。



「ふゎぁぁぁ…そろそろ寝るよ」

眠そうにあくびをしてる裕太。



ソファを見ると。
前も思ったけど裕太の身長に対してソファ小さいんだよね。

前に裕太が寝た時はソファに足をはみ出させてたり座って体だけソファに寝てたりして
ホントに寝た？って状態だった。



連絡も出来ないくらい2週間忙しかったのに
こんな狭いとこで寝るとかちゃんと疲れ取れるのかな。



「ねぇ裕太」

「んー？」

「私がこっちで寝よっか？」

「……ん？」



私が言うと不思議そうに私を見てる裕太。



「ずぅっと忙しかったんでしょ？こっちだと疲れ取れなくない？」

私は明日休みだし。
裕太送った後で寝たらいいから。



そう言うと裕太は目をパチクリさせた後で

「A優しいね」

って柔らかく笑う。



そして

「じゃあさ、変なことしないから一緒にベッドで寝ない？」

なんて裕太が言い出す。



「へ！？」

「だってそれならどっちもベッドで寝れるよ？」

「そうだけど！！」



てか変なことって何！？



「一緒に寝るのは無理っ」

「なんで？…大丈夫、ハグともしかしたらチューくらいしかしないから」

「は！？」

「だってペットって懐いて飼い主の顔を舐めたりするでしょ？それみたいなもんだよ」

なんて言いながら裕太がもたれてくる。



「…やっぱりAのそばって落ち着く。空気感かなー。安心して泣きそうになってきた」



なんて少し元気のないトーンで言うから。



「じゃあ一緒に寝る？」

ってつい言っちゃう。



「………いいの？」

「狭いよ？」

「いい」

そう答える裕太の腕の中にまた閉じ込められる。

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