はじめての。2 ki ページ42
「…会うの?」
「はい」
「そか」
ラジオの現場に向かう途中。
この後は別行動だってAが言う。
炭谷さんとAのゼミの先輩と
キスマイの次に繋がる打ち合わせに行くって言う。
武田ちゃんも一緒だし。
二人きりなわけじゃないし。
…別にいいんだけど。
「帰りは酒井さんが送ってくれます」
「んー」
「私は武田さんと打ち合わせに行ってきます」
「ん」
拗ねないつもりだった。
気にしないフリをするために手帳を開く。
ただペラペラ無意味にページをめくる。
結局どこか気にしてる自分が居る。
「その打ち合わせが終わった後でゼミの集まりに行こうって言われたんですけど」
「は!?」
Aが言うから思わず顔を上げると
「彼氏居るからそういうのは参加しないっていいました」
淡々と答えるA。
…言ってくれたんだ。
「……そか」
「はい」
本当に仕事の報告と同じテンションで言ってて淡々としてるA。
ものすごくいつも通り。
ある意味Aらしいけど。
「…ありがと」
「いえ」
こーゆー時に思う。
俺の方がAのことが好きだよなーって。
ホントに俺の事好きだよね?
俺の方がAが好きで多分Aは俺ほど好きになってないんじゃないかなって。
俺が「行くな」って言ったから行かないだけで
ゼミの集まりもホントは行きたいんじゃねーの?って。
好きの大きさ違くね?って。
少し寂しい。
そして不安になる。
でもそんなこと言えねーから。
ただ黙ってることしか出来なかった。
仕方ないから寝る。
目を閉じてるだけでなかなか寝れなくて。
ちっちゃい自分と
好きの大きさの差に落ち込む。
ラジオ局について仕事が終わるとAからLINEが来てる。
『少しだけゼミの集まりに顔を出すことになりました。ごめんなさい。また連絡します。』
……ほら。
何となくこうなる予感してた。
先輩2対A1だし。
どこかで分かってる。
絶対Aはめちゃくちゃ断ってるし
多分武田ちゃんも一緒になって行けって言ったんだろーなって。
『ん。』
何も言えなかった。
「終わったら連絡して」って言ったら信じてねーみてーだし。
「行かないで」なんて言えねーし。
ふざけてチャラく返せるようなテンションでもなかった。
Aは俺にしか興味ねーって言ってるし。
それ信じるしかない。
俺もルームウェア買いに行こ。
帰りの車を断って買い物に出ることにした。
887人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲良(プロフ) - shizuさん» 絶対(笑)まぁそういう系だと恥ずかしいですねw (2019年7月7日 21時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ヒロメロンさん» コメントありがとうございます!キュンキュンまでが長くてクレームもいただいてたりしてますがのんびり更新しますのでまた是非読みに来て下さいませ! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ぴのさん» 仕事してて書きたくなった時の葛藤がヤバいです 笑 ほどよく頑張って更新します! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ATさん» 長かったので甘々が自分でも染みます。また是非読みに来て下さいませ! (2019年7月7日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - risaさん» 正直コメントいただいた頃が一番ニヤニヤしながら書いてました。楽しかったですー。次の10はもう少しニヤニヤしながら書けそうです! (2019年7月7日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:shizu | 作成日時:2019年6月18日 3時