サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 13 ki ページ6

やっぱりAはまた何かを隠してる。


っっとにもー！
何なんだよ毎回毎回っ！！

今度は何だよ。


どーせ勝手に誤解してるんだろーけど。

今回俺は何もやらかしてねーし。



バラエティの収録前。

控え室でスマホを弄ってたら隣に珍しく藤ヶ谷が座ってきて声を掛けてくる。



「あのさ」

「ん？」

「Aさんって北山から見てわかりやすい？」



藤ヶ谷の質問の意味がイマイチわかんねー。



「んー…さすがに分かることも増えたけど」

「あ、そんな感じ？じゃあ北山のことじゃないのかな」

「何が？」

「Aさんさー、誰かに分かりやすいって言われたらしくて。分かりにくくなりたいって言っててさー」



…Aよ。

お前は藤ヶ谷になんつー相談してんだよ。



「へー」

「謎でしょー？Aさん基本無表情だし。だけど気づいたんだよね」

「何に？」

「Aさん結構目に色々出てるなって」



……藤ヶ谷ぁ。

それ言うなよー。



「…確かにそうかもな」

「でしょー？だからそれ伝えちゃってて。だからもし北山ならゴメンって言おうと思って」



そう言って藤ヶ谷は俺を見ると言う。

「気持ちを知られたくないってことはさ。Aさんその人に知られたくない気持ちを持ったんだよね」

「そうか？」

「知られたくない気持ちって何だろうね」

「……さぁ？」

さすがにわかんねーし。
俺が首をかしげると

「『好き』か『嫌い』だと俺は思ってるんだけど」

藤ヶ谷は意味有りげに笑う。

「しかもあの言いっぷりだと本人気づいてないと思うよ」



……どーゆーこと？

しかもなんで藤ヶ谷にはそれが分かんの？



「あ、でも北山じゃないなら関係ないか」

そう言って席を立つと

「トイレ行ってこよーっと」

って俺の言葉を待たずに行ってしまった。




…好きか嫌い？

俺、嫌われた？
笑わなさすぎて？

仕事に支障出るから気持ち隠したいってこと？





撮影中の休憩で雑談してるとその輪の中に女の子のモデルさんが入ってくる。

この子…あぁこの前控え室に来た子か。



輪に千賀も入ってきた。
確か千賀がこの子気に入ってたよな。

話に入りやすいように千賀に話を振ってから輪を抜ける。



…Aどこだ？

そう思って見渡すと藤ヶ谷と話してて目元を触られてる。



は！？なにやってんの？



そう思って見てると藤ヶ谷と目が合ってめちゃくちゃ笑われる。

戻ってきた藤ヶ谷に

「北山はバレバレだね」

って言われる。



…何がだよ。

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