サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 24 ページ27

聞きたい？
北山さんの好きな人を？



確かに知っておきたい。

知っておけばいざと言う時守れるかもしれない。

マネージャーとしても
北山さんの幸せを願わないといけないと思うし。



でも
聞いたらこの腕の中に二度と入れない。



北山さんの好きな人を知っていながら
私がここに居たらおかしいし。



……あれ？ちょっと待って下さいよ。



そもそも北山さんには好きな人いるのに
私がここに居るのもおかしいですよね。

なんで北山さんはここに居ていいのは私だけとか言ってるんだろう？



でも今の私は

ここほど居心地のいい場所を知らない。



ここを失いたくない。

思わず北山さんの背中の服を掴んだ。




「ん？どした？」

北山さんの声が甘い。
声をかけられて我に返る。

しかも私の首元で話すからくすぐったい。



あ、心配かけちゃった。

でも確かに急に黙って自分の服掴まれたらびっくりしますよね。



「ごめんなさい、びっくりしましたよね」

「あはは、ちょっとだけな。でも大丈夫」



言いながら私を抱き直す北山さん。



「今日さー」



1度言葉を止める北山さんは私の首元に頬を寄せて

「一緒に寝ていい？」

そのまま話すから私の首に北山さんの唇が当たる。



ものすごくドキッとした。
こんな気持ち初めてだった。

北山さんに好きな人が居るって分かってるのに
一緒に寝ていい？って言われたからなのか

北山さんの唇を感じたからか



____あるいは両方か。



好きな人聞く話どうしましたっけ？
って思ったのは一瞬で

北山さんと寝ることで頭がいっぱいになる。



さらに

「まだ俺のA不足が終わってねーの。ダメ？」

北山さんの甘えた声。




ダメに決まってる。

北山さんが納得いってないことがあるなら全部解決してもらって、帰ってもらわないと。

納得行くまで帰らないって言ってましたもんね。



「納得する答え全部揃ったんですか？」

そう聞くと

「ん、まぁな」

なんて適当に答えてる北山さん。



単に北山さん眠いのかな。

でも答え揃ったなら帰って下さいよ。
そう言いきれない自分が居る。





多分、私も北山さんと一緒に寝たいんだ。




最低だ。

只のマネージャーなのに。




断らなきゃ。

そう思って口を開いたら




「あのな、A」

北山さんが言う。

「俺がAと一緒に寝てぇの」

わかる？って言いながら
北山さんはまた私の首に顔を埋めるから
やっぱり北山さんの唇が当たる。



……ドキドキする。

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