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ヤマアラシな彼 2 7 ページ7

合コンの次の日。
いつもの焼き鳥屋に北山を呼び出した私。



「いつもお世話になっております」

「はいお世話してます」

「こちらお納め下さい」

私はいつも北山から巻き上げているiQOS用のタバコを1箱渡す。



「…これじゃ足りねーよ」

とか言いながらも北山は受け取ってiQOSをセットする。



「どーせお前が走って逃げた後の二階堂の反応聞きてぇんだろ?これじゃ足りねーな」

ニヤッて笑ってセットしたiQOSを私に差し出してくれる北山。



そう、私は二階堂君と目が合った瞬間北山にiQOSを返してダッシュで逃げた。
それこそ何も言わずに。

ついに会社の中で北山以外に私の本性がバレた。

それにびっくりしたらとりあえずその場を逃げることしか出来なかった。



「…聞きたい?」

勿体ぶる北山に

「一応」

言ってiQOSを吸う私。



「意外と悪くなかった」

北山が私を見ないでスマホを見て言う。

「え?」

「後は本人に聞けよ」

「は?」

言った瞬間、お店の入り口が開くと二階堂君が居る。



「なんか、二階堂がAに言いたいことあるんだって」

言って北山は財布から自分が飲み食いした分の数千円取り出すとテーブルに置くとカバンを持つ。



「iQOSは明日二階堂経由で返してくれればいいから」

「え、ちょっと待ってよ」

「待ちませーん。後は勝手にしてー」

そう言って北山はすれ違いざまに二階堂君に何かを言って店を出てしまった。



残された私と二階堂君。

二階堂君は突っ立ったままどうしていいか分からない様子。



「…座ったら?」

とりあえず声をかけた。
バレてしまってるとは言えさすがにiQOSは消す。

「はい…」

若干ビビり気味の二階堂君はさっきまで北山がいた席に少し距離を置いて座った。

北山の生を下げてもらって二階堂君の生を頼んでとりあえず乾杯する。



「この前ありがとうございました」

一気に3分の1飲み干した二階堂君が言う。
飲み方が若いなー。


「この前?」

どれだろ?

「会社で庇ってくれましたよね、ブース使いすぎてること」

「あぁ、あれのこと?」

二階堂君が申し訳なさそうに言う。
だとしたら逆に申し訳ない。
しかもやっぱり聞こえてたんだ。



「ごめんね、あれは北山の受け売りだから気にしないで」

私が笑うと二階堂君は今度は悲しそうな顔をする。

「でも俺その前めちゃくちゃ感じ悪かったし。ホントに色々ごめんなさい」

頭を下げてくる二階堂君。



…何だ、そんなに悪い子じゃないじゃん。

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shizu(プロフ) - mayumitsuさん» コメントありがとうございます!私もミツ担なのでどうしても北山さんの圧が強めになってしまいます。少しずつ更新しますのでよろしくお願いします! (2019年4月10日 5時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - こんにちは★こちらも読んでます(^-^)不器用な二階堂くんと、どうなるのか気になります。そして北山さんのiQOS、奪って吸える関係たまらんですね…!!!北山担なのでそこに興奮しました(;∀;)笑。 (2019年4月4日 18時) (レス) id: 90f4627b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年4月1日 8時

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