この想いの結末は 8

もう大丈夫 ページ16

Aside


ドライヤーの掛け合いっこをする。

ソファに私が座ってその前の床に太輔が座って後ろから私がドライヤーをかける。

最初は会話をしてたのにどんどん会話が減って太輔は寝そうになってた。



「太輔？」

「んー？」

「寝ちゃう？」

「…やだ。Aの髪する」

言いながら寝そうになってる太輔。



「あー気持ちいい」

「ふふふ、気持ち良さそうだもん」

「そろそろ交代ー」

太輔が寝そうになる前に私の手を止める。



場所を交代して髪を乾かしてもらう。
太輔の指が頭皮に触れるとものすごく気持ちいい。

「…んーーやっぱり気持ちいい」

「ははははは、目がトロンとして可愛い」

「パーマそろそろ取れちゃうなー」

「うん、でもいい感じでいいよね」

「だから太輔の言うことがすごく女子なんだけど」

パーマとれかけがいい感じとか。
女の子同士の会話だよホント。



「今日急に泊まってるからパーマ用の何も持ってきてないや」

「俺ので良ければあるよ」

ケロッと言う太輔。



…ホントに女の子と話してる気持ちにしかならないんだけど。



髪を乾かしてもらってるうちにいよいよ眠くなる。

「太輔、眠いね」

「うん」

ドライヤーだけじゃなくて太輔の声も気持ちいい。
背中に感じる太輔の体温も。



今日沢山話せたし触れることができたお陰で不安も寂しさも嫌われたかもって気持ちも全部吹き飛んだ。

これで当分会えなくても頑張れる。

ここまで来る道中で太輔が沢山頑張った話聞いて、私も頑張らなきゃって思ったし。

次に太輔に会う時に「私も頑張ったよ」って報告が出来る自分で居たい。



「…今日連れて来てくれてありがとう」

「ん？」

「これでしばらく頑張れる」

「うん、俺も」

そう言ってドライヤーを止める太輔。



「でもいつでも来てくれていいんだからね？」

「ん」

「むしろお休みの度に来て」

「それはちょっと…」

交通費も厳しいし。
あ、でも深夜バスとかなら安いかな。



「えー、ダメ？」

「仕事で勉強しなきゃいけないことも増えたし…」

「切符ならこれからは帰りは俺が用意するから」

さらっと言う太輔。



「間違っても深夜バスなんか使わないでよ、危ないから」

私を覗き込んで真剣な顔で言う。



…読まれてる。




そのまま2人でベッドに入ったらイチャイチャするどころかお互いすぐに寝ちゃって。

でもくっついて寝れたのが相当幸せで。



ここ1ヵ月近くの中で一番深く眠れたと思う。

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