サイボーグな彼女

マネージャー開始 8 ki ページ31

「はよー」

楽屋に入ると
ニカ千と宮田が居た。



「おはよー」「はよー」「おはよーっス」


3人はメイクを始めてる。
メイクさんが3人だから俺は待ちだな。

待つために楽屋の定位置に行こうとして
その前に友達からのLINEの返事返してないことを思い出し、ポケットからスマホを探す。



…ない。

やば、車に置いて来ちゃった。



「A、悪ぃ。スマホ車に忘れてきた」

「わかりました」



俺らのやり取りに3人が振り返る。



Aが楽屋を出て、パタン、と楽屋のドアが閉まると



「え、ミツなに？」

二階堂が言う。

「は？」

俺は敢えて普通に返す。

「いつの間に？付き合ってんの？」

「ちげーわ」

荷物を定位置に置いてから返事する。




「…呼び方変えただけだよ」

俺が言うと

「ふぅーーん」

二階堂は何か言いたそうだけど、スルーした。




「お待たせしました、ありました」

少し息を切らせてAが帰ってくる。

「お、ありがと」

スマホを受け取ると俺はスマホを弄りだした。



「ねー、Aさん、ミツから名前呼びなの？」

二階堂が言う。

つーか、二階堂。

「お前、この前Aをちゃん付けしてただろ」

「俺、本人にちゃん付けして呼んでないもん」



…マジか。



俺、この前勝手に妬いた感じ？？


ま、いいか。




「俺もAちゃんって呼んでいいー？」「俺も俺もー」

ニカ千が言うから

「お前ら年下だろーが」

俺が言うと

「ミツじゃなくてAさんに聞いてるんだけどー」

二階堂が生意気なことを言う。




Aを見ると
正解が分からなくて戸惑ってるっぽい。



とりあえず楽屋の外に出そうかな、と思ったら

「はよー」

そのタイミングでタマがあくびしながら入ってくる。

「「「おはよーー」」」

返す俺たち。




タマはドカッと定位置に座ると
雑誌をめくりだした。



よしよし、空気変わったな。

俺もスマホを弄り出した。




しばらくすると

「…で、呼んでいいー？」

いつの間にか、宮田まで言い出す。



諦めてなかったのかよ、てかお前もかよっ。

俺はため息をつく。




「A、スポドリ買ってきて」

「わかりました」

多分、普段小さいの持ち歩いてくれてるけど、察して買いに行ってくれる。



3人が「えー！」だの「ズルいー！」だのわちゃわちゃし出す。



「…へー、仲良くなったじゃん」

雑誌読みながらタマが言う。

「…まだまだなんだよ」

小さく返す。




…これからなんだよ。

一心同体 1→←マネージャー開始 8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す