潜書伍・ ページ12
文字を忌々しく纏うその怪物は、二人の文士に襲いかかる。
攻撃は避けれるものも、やはり倒さねばならない。
最初に攻撃したのは太宰。それに続くような中島も攻撃を仕掛ける。
二人とも武器は刃。急所は狙いにくいが腕は確かである。
「中島、降臨ゲージ溜まってたりするか?」
戦闘中にも関わらず、太宰は中島に声を掛けた。
「うるさい、戦闘中だぞ。」
中島は冷たくあしらって攻撃を続ける。だが、敵とてじっとしてくれず、度々攻撃を受けてしまう。
「溜ってるなら、俺と双筆神髄しないか?そしたら一気に決められる。」
このまま戦闘を続けても恐らく時間が掛かる。そう考えた中島はその提案に頷いた。
「分かった。生きる真似事は止めろ、侵食者め・・・・」
「やってやるぜ!」
二人は其れ其れ最大限の力を振り絞って攻撃した。
その甲斐あって、侵食者は声にならない悲鳴を上げて、泡のように消えて無くなった。
「ハァ、ハア・・・勝った、のか?」
「勝ったんだよ、中島。あー、疲れた。」
返り墨で二人は黒く汚れていた。
二人は息を切らし、何も残らない侵食者がいた空間をじっと見た。
武器を本の中に飽和させ、ふと空を見上げると、月は何事も無かったかの様にただ光っている。
しかし空を包む夥しい文字はヨコハマの人には見えていなくても
文士には見えていた。
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エリカ - すごく面白かったです!続きを待っています! (2018年3月17日 10時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
庵 - こういうの探してました!いやぁ、これは鼻血もんですね。更新期待してます。頑張って下さい!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: 359f234116 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 文アルと文ストどちらも好きな私にとっては嬉しすぎて昇天しそうでした…← 出てくる文アルキャラが文ストキャラと同じ名前の人だけじゃなく色々な人が出てくるのですごく面白いです!更新楽しみにしてます( ´∀`) (2018年1月23日 19時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 面白かったです。すこし気になったのですが、登場人物が侵食者というのは、作者さんのオリジナルでしょうか? この前別の小説で見たことがありまして…。偶然ならいいのですけれど、少し気になりまして…。 (2018年1月20日 18時) (レス) id: 48db98a9a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - とても面白かったです!ボクは空白のSecretさんのほかの作品からここにきたのですが、どの作品も面白くてすごいです!応援しているので、頑張ってください! (2018年1月20日 13時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白のSecret | 作成日時:2018年1月7日 22時