ホワイトデーver.大矢野 ページ6
ー3月14日 ホワイトデー
「すぅー………ふぅ�・………」
何度も何度も、深呼吸を繰り返す。
だけど
「やっぱり駄目だぁ…」
深呼吸ぐらいじゃ、1ヶ月前から続くこのドキドキはおさまりそうにない。
*
ー1ヶ月前
今日は世に言うバレンタインデー。
………まぁ、僕には関係ないですけどね。
それに甘いもの苦手だし。
それに引き換え四郎は今年も凄い人気で、沢山のファンが押し寄せていた。
「みなさん、初めましてこんばんら!天草四郎です!」
「キャーッ」「四郎くーん!」「チョコ受け取ってぇ�・」
「みなさん下がってください!」
ガードマンさんが押し寄せるファンから四郎を守る。
大変そうだなぁー。
僕はその様子を尻目に普通にその横を通って帰って行った。
*
「あの!大矢野さん、ですよね?」
「はい?」
突然呼び止められ振り返ると、可愛らしい女性が立っていた。
「突然すみません!あの良ければコレ、受け取っていただけませんか?」
そう言って差し出したのは可愛くラッピングされたチョコだった。
「…?あ、これ、バレンタインチョコです!」
キョトンとしたまま動かない僕を見て慌てて説明する。
「あ、それはわかってます。………あ、四郎に渡して欲しいってことですか?」
「えっ…あぁ、あのそれもあるんですが、それは大矢野さんのです。」
「僕の?」
思いもしなかった言葉にちょっと心が躍った。でも
「四郎さんのはコッチ、ちなみにこっちが森君のです。」
そう言ってカバンから取り出したのは、僕のより大きいチョコを二つ取り出した。
なんだ…やっぱり僕はついでか。
「それ、僕が渡しておきましょうか?」
「え、いいんですか?じゃあ、お願いします。」
そういって二人の分のチョコも受け取る。
ついででも僕なんかにチョコくれたんだから、このぐらいは。
「あの!」
「はい?」
「私“天草四郎と島原DE乱れ隊”の皆さんが大好きです!四郎さんじゃなくて、皆さんが!…好きです。それじゃあ!」
なんて僕は単純なのだろう。自分でも嫌になる。だけど…
“好きです。”
僕の目を真っ直ぐ見つめて彼女はそう言った。
そんな姿を見てしまったら。
例えその言葉が僕に向けられたものじゃなくても。
「恋って本当に落ちるものなんだな…」
その後家に帰って、早速貰ったチョコを食べた。
甘いものが苦手な僕でも食べられるガトーショコラだった。
すごく美味しかった。
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桃子(プロフ) - コメント失礼します。主様の作品が大好きで、特にホワイトデー ver.大矢野が好きすぎて、度々読みに来ています。大好きです!!!応援してます!!^_^♡ (1月12日 14時) (レス) id: 4c9d96d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
蜩かぼす(プロフ) - 誤解されるといけないので一応付け加えさせて頂きます。鍋ちゃんTV全作品読ませて頂きました(*´˘`*)戦国鍋の信蘭はアツアツですよね!ちょっとおバカな信長さんと利発な蘭丸の出会いのお話もほんわかして好きです(*^^) (2018年5月21日 15時) (レス) id: 8c255ff31b (このIDを非表示/違反報告)
蜩かぼす(プロフ) - 初めまして。君だけがおらん、僕だけがおらんの2作品とても切なくて泣いてしまいました。また世界史ちゃんの信蘭のお話を是非読みたいのですが、3年も前なのでもう新作は書かれないのでしょうか?できればまた2人のラブラブなお話や切ないお話を読みたいです!! (2018年5月21日 15時) (レス) id: 8c255ff31b (このIDを非表示/違反報告)
RNん(プロフ) - 未確認生物AB型さん» ありがとうございます!戦国鍋も戦国鍋ファンも尊し! (2015年8月17日 11時) (レス) id: 9424724d5e (このIDを非表示/違反報告)
未確認生物AB型(プロフ) - 私も戦国鍋TV好きです!とっても面白いですね! (2015年7月22日 0時) (レス) id: 8e9413098d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RNN | 作成日時:2015年3月8日 2時