再会�� ページ41
しばらくして笹山が私の口から手を離した。
「もう大丈夫」
『…ありがとう』
心の底からの素直な気持ち。
『…あとごめん』
私、笹山に無理させた。
敵に追われていた私を運ぶということは、それだけでリスクのある危険なこと。
更に、私は危険を背負わせるだけじゃなく、応急処置までしてもらった。
ほんとに、ごめん。
笹山は目を見開いたあと、私の髪の毛をくしゃくしゃにさせながら撫でた。
「こういうときはありがとう、だけでいいんだよ。それとA。
良く頑張ったね」
優しい眼差しで笑った笹山に、涙が零れた。
『うぅ…』
「もう、泣かないでよ」
笹山が笑う。
新しい朝が私達を照らした。
・・・・
笹山の背中に揺られる帰り道。
歩いて帰れるから！と言ったら、笹山が黒いオーラを出し始めたので
ありがたく背中に乗せてもらった。
ザッザッザッと一定のリズムで揺れる背中。
ふわふわした笹山の髪が私の頬を撫でる。
くすぐったさに目を細めると、ふわっと笹山の匂いが鼻孔をくすぐる。
晴れた日のお日様の匂い。
なんて気がついてしまって、今のこの状況とさっきまで抱き締められていたことを思いだし、一人赤面する。
今、顔を笹山に見られなくて良かったと思いつつ、照れくさくなって、話題を探す。
『…笹山の背中は大きいね』
「そりゃ男なんで」
性別の違い。
改めて笹山の背中を見る。
私よりずっと大きくて、頼もしい背中。
また恥ずかしくなってしまった。
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菜々香 - ほのかさん» コメントありがとうございますー！これからも頑張ります！ (2022年10月2日 18時) (
レス) id: 83caede52f (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きです💕これからも投稿頑張って下さい！！ (2022年9月30日 19時) (レス) @page33 id: 3929e44e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々香 | 作成日時：2022年8月10日 11時
