俺の両親は【朔間凛月】

〃 ページ21

A「…？」



夢月「…お母さんみたいに


…優しくて、素直な人がいいな。」





お父さんには憧れているけど、


お母さんにも同じくらい憧れている。






凛月「…そうだねぇ。



…でも、いくらむっちゃんでも


Aは渡さないからね。」







声を低くして、ぎゅってお母さんを抱きしめるお父さん。






夢月「いやいや、取らないから。」


A「何言ってるんですか凛月さん！」





凛月「わからないよA。


いくら家族でも、そういうことはあるかもしれないんだから。」






警戒心強いなぁ…。










凛月「…十年前に結婚して、




それからむっちゃんが産まれて。



昨日のことみたいに覚えてるんだよねぇ。」




A「もうすぐだってなったときに、


お父さん、仕事をすっぽかして病院まで来てくれたんだよ。




あんなに真剣な顔してる凛月さん、初めて見ました。」




凛月「思った以上に俺にそっくりでびっくりしたけどね。」



夢月「そんなに似てたの？」



凛月「うん。今は、


ちょっとお母さんに似てきたけどね。」





お父さんは、スマホに収められた俺の小さい頃の写真を見せてくれた。






凛月「こんなにぷっくりしてて可愛かったんだよ〜♪」


A「手も足もちっちゃくて、

ほっぺたぷにぷにしててね！」




…へぇ。


つまり今のオレは可愛くないのね？




凛月「むっちゃんは初めからお利口さんだったから、


あんまり俺たちが怒ったことなかったねぇ。」



夢月「そうだった？」



A「うん。


一回言えばやってくれるし。




でも最近反抗期だから、怒ること増えるかもね〜。」



夢月「反抗期じゃなくてお母さんたちに呆れてるだけ。」





オレに反抗期なんかないからっ！





凛月「性格もお父さんが混じってきたしねぇ♪」


A「え！？」


凛月「最近のむっちゃん、口調がお父さんぽくなってる。」







…え、そうだったの！？







夢月「…全く気が付かなかった…。」



凛月「そのうち甘えん坊さんになってくるんだろうねぇ♪」



夢月「…この年で甘えん坊って…。」



A「この年って言っても、まだ10歳よ？

まだまだ子供だよ。」



夢月「そうだけどさ…。」













凛月「でも、


そろそろむっちゃんもお兄ちゃんらしくならないとね♪」

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