〜10💌〜 ページ10
「ねぇ、ま〜くん」
「ん〜？」
Aを家まで送り、
今度は凛月をおぶってコイツの家に向かう。
「ま〜くんて、
いつAを好きになったの？」
「急だなお前」
いつって言われてもな〜、
正確には分からないんだよな
「…気がついたらって感じだったかな。
多分中学の時から好きだった…と思う…」
ぶっちゃけこんなの、
誰にも言ったことない。
だからめちゃくちゃ恥ずいってわけだけど…
「でもま〜くん、
彼女いたよね、中学の時。」
「あ〜、いたな。」
「それは浮気しちゃってたってこと〜？」
「…いやいやいや、違うからな！？」
浮気ではない！
いや、うん…多分…
「ふふふ、冗談冗談…♪
ま〜くんは押しに弱いからねぇ、
どうせなんとなくOKしちゃったんでしょ。」
「よ、よく分かったなお前…」
決して、彼女のことが好きじゃなかった訳では無い。
けど別に好きだったわけでも…無いかもしれない。
「その彼女さんとは？」
「ん〜、連絡とってないんだよな〜、
元気にしてるといいけど。」
「別れたわけじゃないんだね」
「…自然消滅っていうか、
最後の最後に、結構傷つけちゃったっていうか…
俺のせいなんだけどな。」
「…？
何かあったの…？」
凛月は1つ上だったから、
俺が中３のときは高校に入学してて
そりゃあ知らないよな。
…まぁ、凛月になら、話していいかもしれない
なんやかんやで、
コイツには色々助けられたし。
「実は…」
「…てことで、
いるなら出ておいでよ、
あんず…と、明星だっけ？」
「…は？」
「あ〜、やっぱりバレちゃったか〜！」
「ご、ごめんなさい！聞くつもりはなくて…！」
後ろを振り返れば、
曲がり角から２人が出てきた。
どうやら偶然俺たちを見つけたらしく、
なんとなく着いてきてしまったらしい。
「まぁいいじゃん。
明星はともかく、あんずは気になってるんでしょ？」
「…！」
「ま〜くんがあの子に、
こんなに一途になっちゃう理由♪」
まるで朔間先輩みたいに、
彼女の心を見透かしているような口ぶり。
あんずは正直にこくりと頷いた。
「…はぁ…
ほんとお前ら…」
仕方ないな…
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