〜４💌〜 ページ4
「あははっ、
相変わらず衣更くんモテモテよね」
特に行くところも決めてなかったから、
新しくオープンした近くの喫茶店に。
つい流れで、Aに昨日の話をしてしまった。
「そうか？…あ、勿論断ったぞ？」
「ふふっ、言わなくても分かってるよ」
ありがとう、なんて俺に微笑むAに見とれて、
パスタをクルクル巻き付けていたフォークを落としそうになった。
「衣更くん、中学からずっと人気者だったじゃん。」
「いやいや、普通だったろ。」
「だって、3年間違うクラスだった私でさえ
衣更くんのことは知ってたんだよ？」
確かに…？
言われてみれば、中学3年間違うクラスだったな。
「…ん〜、でも俺ら
ちょいちょい部活で話すことあったろ？」
「あ〜！
衣更くん、めちゃくちゃ話しかけてくれてたよね〜！」
そこから何故か中学のときの部活の話で盛り上がる。
さりげなく彼女を見ると、
思わずその奥に目がいってしまった。
「…は？」
「…？どうしたの？」
「…あ、いや、なんでも。」
見覚えしかない明るいオレンジ色の髪。
よく見るとその奥にはこちらをじっと見つめる黒髪もいた。
幼馴染みの黒髪とはまた違った、少し青みがかった髪色。
その隣は、俺と目が合った瞬間見てわかるくらいに慌てている金髪青メガネ。
そして昨日、俺に告白した張本人も。
いやいやいや、何しに来たお前ら！？
ていうか俺、
彼女いるって教えたっけ？
教えてないはずなんだけど…
空気を読んでくれているのか分からないけど
俺の視線に気がついてもニヤニヤしているだけで
変に話しかけてこない。
完全にバレてんなこれ…
まぁ、邪魔して来ないならいいか。
…ん？待てよ…
あんずがいるってことは…
さっきのやつ、聞かれてた？
「衣更くん、パンケーキ食べたいんだったっけ？」
「へっ？」
突然呼ばれたと思ったら、
先程運ばれてきたパンケーキを切り分けて
小皿に載せる彼女
そういえば
『それ美味そ〜』って言ってた気がすんな俺。
「ん、さんきゅ、」
あ〜っと口を開けば、
パンケーキをフォークで口まで運んでくれる。
「んま、」
「甘くて美味しいよね〜♪」
そんな光景を、
あいつらが見てるとか忘れてた…
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