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映画の始まりみたいな始まり方だけど、
せっかくだし、まぁ付き合ってくれよ。
４年前になるのかな、
アイツと初めて話したのは、俺が中学１年のとき。
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「１年、リング出し！！椅子出し！！タイマー！！」
体育館には、いつものように部長の声が響き渡る。
強豪と言えるような学校ではないけど、
毎回そこそこ良いところには行けるうちのバスケ部。
ただバスケをするためだけの、
中学３年間の青春を味わうためだけの、
そんな場所だったはずなんだけど…。
「先輩、こんにちは！」
「うっす衣更。
働き者だな〜お前。」
リング出しをしながら先輩に挨拶。
俺の部活動はここから始まる。
「あははっ、そんなことは。
そういや先輩、今日ってタイマー使います？
今日、タイマー係の奴休みみたいで。」
「いやもう、お前との全ての会話が仕事のことなんだよ…。
今日は体幹のトレーニングとかするみたいだし、
初めから使いそうだな。頼んだわ。」
「了解です！」
他にも同級生は沢山いるけど、
俺は家が近いし、いつも早く来てるから
あいつらの分まで仕事やってることが多いだけ。
シューズの紐を結んで、
部室にタイマーを取りに行く。
「あ！真緒〜！！」
「お〜、お前ら早いな。」
女バスの連中も来始めた。
みんなで来たのか知らないけど、
１年６人勢揃いしてる。
「男バスも昼から練習？」
「おう、隣のコートは女バスだったのか。」
「そうそう！真緒の活躍、ばっちり見とくね！」
「活躍するかは知らんけど、さんきゅー！」
体育館に入っていく女バスに手を振り、
部室からタイマーを持ち出す。
運ぶだけならできるけど、
設定とかよくわからないし、
まぁその時は女バスに聞けばいいか。
「…ん？」
肝心のタイマーを取りに部室へ向かうと、
女バスの部室からタイマーを持った女子が１人出てきた。
確か…１年だよなアイツ。
女バスのタイマー係はアイツだったのか。
俺自身、女バスの中ではアイツだけ
１度も話したことがなかった。
小学校も違ったし、
何より同じクラスってわけでもない。
こんな機会だし、丁度いいか。
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