【刀剣乱舞×名探偵コナン】不死ノ少女 完結編

133 出発 ページ4

悩んだ末、本丸に戦力を残しながらも全種類の刀剣を一振りずつ連れていくとなると、知名度がありなおかつ学生に人気がありそうな刀といえば...
蛍丸、左文字三兄弟、日本号、巴形、にっかりが妥当な所だった。

皆には私以外の人間を決して通さぬように釘を刺し、行ってくると言おうとした時


「僕、見学したい！」


皆の中から大声を上げたコナン君。
それに驚きつつも残った皆は静かに彼を睨んでいた。

そんな事はお構いなしに、真剣な眼差しで私を見つめ許可を今か今かと待っている。


「主、気にしないで行ってくれ。」

「そうですよ主さん。行ってください。」


山姥切、鯰尾が順に声を上げた。
コナン君がいる手前、穏やかな微笑みを浮かべているがその眼差しはとても冷たく感じた。

全く...一体何を恐れているのやら。

そう思いながら二人に薄っすら笑いを零す。


「邪魔しないから！」

『そうねぇ...確かに此処に君がいた方がある意味、危険かもしれないわね。』


遠回しに、同行を許可すれば分かりやすく瞳が輝くコナン君。


「しかし...主」

「ま、主が良いって言うんならいいんじゃねぇか？」


何かを言おうとした山姥切の言葉を遮って、私の後ろにいた日本号が声を上げた。


「主殿が良くても、同行する皆様はどうお考えか？」


一期がそう言ったことで、同行する皆は顔を見合わせた。

ああ、めんどくさくなってきた。

これで嫌だ。とか始まったら尚更面倒なことになる。どうしたものか。と悩んでいると


「...僕は構わない。主がいればいい。」

「私もお小夜と同じです。」

「お小夜と兄様が言うのなら。」

「俺も別に気にしないよ？」

「僕も蛍丸君と同じかな。」

「俺もだ。」

「俺はさっき言ったとおりだ。」


お小夜から始まって皆が予想外の言葉を言い、私を含め他の皆は硬直した。
あれほど嫌っていたはずなのに、こうも簡単に認めるとは思いもしなかった。

でも、この七振りは特に嫌っていたわけでも無かった事を思い出す。
直接な接点が無かったからだろう。

それはともあれ結果オーライ。


「...そう、ですか。」


あからさまに納得できないと言いたげな表情を浮かべる一期。


『大丈夫よ一期。彼ももう我々の事情を知っている。もうあんなことはしないわ。』

「...はい。分かってはいるのですが。」

『なるべく早く帰るから。』


頷く一期を確認して、コナン君を連れだし、審神者育成校を目指した。

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