134 到着 ページ5
NOside
審神者が育成校に着くや否や、学園長を筆頭に数名の教師がお出迎えをした。
とはいえ、現在平日の朝十時になる頃。
教師がぞろぞろと現れて余程暇なのかと、Aは心の中で悪態をつく。
「お待ちしておりました、初代様。」
『お久しぶりです。学園長。』
頭を下げる学園長に続き、他の教師も頭を下げた。
彼女に簡単に頭を下げる教師陣だが、数年前までは名のある審神者だった者ばかりだ。
力がある故に遡行軍に狙われ本丸を失ったもの、病で力が衰えた者、自ら教師になった者。様々な理由があった。
だからこそ、育成校のただの教師だとあなどってはいけないのも事実であった。
「御到着して直ぐにで申し訳ないのですが…」
『構いません。』
むしろ、とっとと済ませて帰りたいのが彼女の本音である。
「…そちらのお子様は?」
『ああ、知り合いの子供です。審神者に興味があるようで私が許可しました。』
「そうでしたか。生意気な生徒ばかりですが、どうぞご覧になって行ってください。」
通常、一般人が内情を知るのもタブーなのだが初代が許したのなら話は別だ。
顔が漏れぬようにとAがあつらえた仮面も中々コナンに似合っている。
「では、まずはAクラスに向かいましょう。この時間は式神の実習のはずです。」
『分かりました。』
この育成校には、二クラス計八十六名が在籍している。
そのうち、優秀な物をAクラス。並から劣っている者をBクラスに分けられている。
学園長を先頭に校内に入れば、他の教師陣は一礼をして各自元いた場所に戻って行った。
教室に着くと、審神者は刀剣男士達を鈴に憑依させ己の髪飾りに装着させた。
隣のコナンとは手を繋ぎ中に入る準備を整えた。
それを確認した学園長は扉を二回ノックして、複数の声がする教室へと踏み入れた。
中に居た全員の注目が集中する。
初代の姿を見ると、目を見開くもの、声を漏らす者、固まる者と色々な反応が伺えた。
このザワつき様と、自分の席に座らず散らばり一定のグループといるということは、休み時間だったのだろうと思わせるような酷い有様だった。
「しょ、初代様!?」
「なんだこの授業は!?」
慌てた様子の女教師に、怒鳴る学園長。
そのやり取りにため息をつけば、彼女の頬に火傷のような跡がある事に気が付くA。
よく見ようと近づけば、何かが勢いよく飛んできてそれをAは躊躇なく片手で握りつぶした。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年9月29日 22時