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Aside





綺麗な満月の夜。


背景が背後へと流れていく。


この猛スピードの運転にもそろそろ飽き飽きだ。


ちらりと後ろを振り向けば、何台もの車が後を追っかけてくる。






べ「右、曲がるわよ」





掛け声とともに、大きく傾くバイク。


運転手を抱きしめる手に力を入れる。


私たちを乗せた車体は細い路地へ。


車は追ってこられない。


私は軽く口笛を鳴らした。






『さすがの運転テクね。負け犬の遠吠えがここまで聞こえてきそうだわ』


べ「昔はあんなに騒いでたのに慣れたものね」


『誰かさんのおかげでね』






ようやく止まったバイクに、ヘルメットを外す。


黒の組織のアジト前だった。


運転手のベルモットは綺麗な金髪をなびかせる。






べ「今日も泊まってくの?」


『ええ』


べ「最近ずっとアジトにいるわね。表向きの仕事どうしたのよ。謹慎でもくらってるの?」


『辞めたのよ。家も売っちゃった』


べ「どうして……」


『こっちのほうがギャラいいから』






少しおどけて言えば、彼女は眉をしかめる。


お説教を聞く気もないので、私は素早くアジト内へと足を進めた。


三ヶ月前から全てが変わった。


警察をやめ、アジトに泊まり込む日々。


仕事が来ればどんな任務でもこなす。






プライベート用の携帯の未読メールは無視していた。






ただひとつ大切にしていることがあるといえば、


毎日日付が変わる前に必ず届く、


恋人からのメールだけだった。

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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時

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