やり直せるのなら。４【名探偵コナン】

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Aside





最近の日課はシェリーとお喋りをすることだ。


任務が完了したら、まず彼女の元を訪れる。


シェリーはたいてい研究室にこもっているから場所は迷わなくてすむ。






ジ「おい」





廊下でジンとすれ違い、彼に呼び止められる。


服装からするに、今から出るようだ。





『なあに』


ジ「俺の部屋にワインがある。シェリーとでも飲め」


『ジンは飲まないの？』





意地悪でそう聞き返せば、ふいっと顔を背けられる。





ジ「フン、少しくらい残しておけ」





チャリ、と手にジンの部屋の鍵が握らされる。


かと思えば大きな手がぽんっと頭を撫でた。


気恥しそうに帽子をかぶりなおすジン。


自然と笑顔になる。






ジンの"残しておけ"は



後で一緒に飲もう、の意味だ(多分)。






父親というよりかはツンデレなお兄ちゃんである。


上機嫌で貰った鍵を指でくるくる回せば、すれ違う人みんながこちらを見る。


ジンの部屋の前でふふんと鼻を鳴らし、いざ突撃。


勢いよく扉を開ければ、煙草の匂い。





『……つまんない部屋』





最低限の物しかない部屋だった。


机の上には無造作にワインがはいった箱が置かれている。


試しにクローゼットを開けてみれば黒色の服しかなかった。


唯一おもしろかったのは、ベッドのわきに女性用のヘアゴムがあったことくらい。


枕をひっくり返せば、思いがけないものが出てきた。







一枚の写真だ。






私と、私の母が写った写真。


ずっと私を見てたんだ。


裏返せば、そこにはレディーと書かれていた。

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