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side of Nozomu
教卓と黒板の間を通って帰ろうとすると、
進路を遮るように立つA。
望「なに」
「課題、出してへんの、あんただけや」
教卓に積まれた問題集。
Aはおれを見上げる。
望「雑用ばっかして、内申上げんの大変やね」
そんなつもり一切無いよ。とAがおれを睨む。
ぎゅっと拳を握りしめて。
「ねえ出して」
中学校指定の制服を着ているはずなのに、
ぶん殴ってやるといつか言われた時のあの、ランドセルより小さそうな姿を思い出した。
今度こそぶん殴られるのかと思ったけど、
その拳が上げられることはなかった。
「自分やって女子にちやほやされて調子乗るんは、やることやってからにしてくれへん?」
望「自分がモテへんからって僻むなよ。地味女」
他の女子よりは数倍地味だったとは思う。
それは本当に。
だけど暗かったわけでもクラスで浮いていたわけでもない。
地味女と呼ぶのはおれだけだったと思う。
おれだけが使うその名を、
おれが使う度に、
彼女の拳は固く握られていったような気がする。
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ぼん - 読ませていただきました。最後の小瀧さんの職業ってなんなんですか?妻である主人公の髪の毛しか切らないとなると…?解説が欲しいです。 (2017年6月16日 11時) (レス) id: ce973a89af (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - リンリナさん» え、そそうなんですか?ふたりはプリキュア…知ってる気がします(笑)返信遅くなってゴメンなさい。今回も素晴らしいお話をありがとうございます!企画には参加出来なかったですが(残念)皆楽しみなので、リンリナさんのペースで頑張って下さい!これからも大好きです。 (2017年5月27日 17時) (レス) id: 4baeef7a64 (このIDを非表示/違反報告)
こ た ろ う(プロフ) - 終わってしまったのがつらい...涙。毎日楽しみにしてました!特別編なんかを楽しみにしてます...笑。企画頑張ってください!!^^* (2017年5月24日 12時) (レス) id: fd5da32f27 (このIDを非表示/違反報告)
しげばあ(プロフ) - 素敵な作品でいつも楽しみに読んでいました。一つアドバイスなのですが最後の英語ですが、The only woman who I will cut hair is my wife forever.とかどうでしょう。意味は「私が髪を切る唯一の女性は永遠に妻だけです。」みたいな感じです。ご参考までに! (2017年5月24日 8時) (レス) id: d6540bc3ed (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 最初からずっと読ませていただいてました。彼らなりの愛の形に落ち着いてほんとうに良かったです。企画も楽しみです!素敵なお話をありがとうございました。 (2017年5月24日 7時) (レス) id: 7b4646cf36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンリナ | 作成日時:2017年4月21日 23時