story 27 〜奏side〜 ページ29
ピアノの音色が止まると、俺は口を開いた。
泉「素敵な音色ですね」
すると、亜里沙さんはぺこりと軽く一礼した。
泉「何故……涙を浮かべているんですか？」
俺がそう聞くと、亜里沙さんはハッとしてすぐに涙を拭き取った。
亜「別に……なんでもない」
そう言った亜里沙さんの表情は、どこか悲しそうだった。
俺は近くにあった椅子を手に取り、ピアノの近くに椅子を置いて座った。
泉「なんでもないわけないですよね？」
亜「……」
亜里沙さんは黙ったままだ。
泉「俺でよければ……話してみませんか？きっとスッキリすると思うんです」
俺はなるべく優しく問いかけた。
正直、亜里沙さんはAを嫌っていたという事実があるため接し難いのだが。
亜「泉くんはいいの？」
泉「俺ですか？俺は別に大丈夫ですけど」
亜「じゃあ、聞いてもらおうかな」
亜里沙さんはポツリポツリと話し始めた。
亜「私、むしゃくしゃしてたからAに八つ当たりしてたって言ったでしょ？そのことを少し思い出しちゃって」
泉「むしゃくしゃ……ですか？」
亜「うん。実は私、昔から誰にも好かれてなくて。親でさえ私をかばってくれなかった。だけど、高校に入って新しい仲間と出会って、そこからこんなんになっちゃって。一年の時は『やっと楽しく暮らせる』なんて思ってた。
でも、ある日親からメールが来て。
『あんたなんか産まなきゃよかった』
とか、そんなメールばかりが届いた。
……正直、すごい悲しかった。なんでそんなこと言われなきゃいけないのかわからなかったし、だったら最初から産んでほしくなんかなかった。
それからイライラするようになって、Aにあんなことして……。
本当に悪いと思ってるの。これからは仲良くしたい。
……でも、こんな人生送ってきてる私なんて、許されるはずもなくて……さ」
亜里沙さんは苦笑した。
何故だろう。
亜里沙さんへの険悪の気持ちがなくなった。
守りたい、なんてしょうもない感情も湧いてきた。
今日の件といい、その話といい。
本当は亜里沙さんは良い人なんじゃないかって。
心の中で感じ始めていた。
泉「……そんなこと、気にしなくていいんですよ」
亜「……」
泉「亜里沙さんは……亜里沙さんには、俺たちクラスメイトがついているんです。Aだってきっとあなたのこと許してくれるはずですし。というか、許してくれますから」
俺は優しく笑いかけて見せた。
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みゅみゅ(プロフ) - 微々華さん» コメントありがとうございます！もうそんなに褒めていただけるなんて…嬉しいです！頑張りますね！毎日１話、正直とても大変です笑でも、楽しみにしてくださっている方がいらっしゃるので頑張れますよ！たまに寝落ちしますけど笑 (2015年6月15日 23時) (
レス) id: 8491727e22 (このIDを非表示/違反報告)
微々華 - 毎日1話なんて、大変なのに 凄いです！ (2015年6月15日 22時) (レス) id: 3b4562556a (このIDを非表示/違反報告)
微々華 - 大好きです！更新お疲れ様ー これからも楽しみにしています頑張ってください〜 (2015年6月15日 22時) (レス) id: 3b4562556a (このIDを非表示/違反報告)
みゅみゅ(プロフ) - 星野海月さん» コメントありがとうこざいます！すみません>_<更新しますのでもうしばらくお待ちください！最近更新時間バラバラで本当に申し訳ないです>_<楽しみにしていただけて嬉しいです！ (2015年6月15日 21時) (レス) id: 8491727e22 (このIDを非表示/違反報告)
星野海月 - 今日は更新しないんですか？ なんか上から目線でごめんなさい でも楽しみなんです (2015年6月15日 20時) (レス) id: e4754c623d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅみゅ | 作成日時：2015年4月30日 19時
