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私達三人は、雨に降られてたまたま同じ廃寺の軒先に集ったはぐれ夜盗のようなものだ。
お互いの素性も知らず、ただ会話だけが弾み続ける。
ただ、安吾は出張が多いため、宿泊亭を転々としていると世間話の中でふと聞いた憶えがあった。
命を狙われることが多いなら、マフィアの息のかかった宿泊亭だろう。
そういったホテルは県内にいくつかある。
プライヴァシーが尊重され、銃持ちの警備が常に2ダースほど常駐し、一般客は選ばれた人間しか入ることができない。
そういった宿泊亭にいくつか電話で尋ねてみた。
硬い声の支配人は私が組織の人間であると判ると途端に態度を和らげ、こちらの質問に懇切に対応した。
直接会った際には膝の上にすり寄ってきそうな勢いだった。
*〈その時の太宰〉
「!!
Aに急接近しているムシがいる気がする!
行かねば!」
「おい太宰!
さっさと仕事しろや!」
※↑何気に初登場・中也さん
*〈終了〉
三軒目の電話で、私は安吾の住み処を見つけ出した。
表通りからわずかに離れた、砂色の外壁を持つ十八階建ての宿泊亭だ。
周囲には類似の建物と公園が広がり、昼間にも拘わらず一帯は静寂に包まれている。
沈黙と云い換えてもいい。
マフィアの領地にはお馴染みの沈黙だ。
安吾が好みそうな場所だった。
*
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ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時