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*


全員が緊張した顔で振り向いた。


現れたのは、少年と云っても通じそうな若者。

頭と頸と腕の包帯、蓬髪に飄々とした足どり。

ポートマフィア五大幹部のひとり、太宰治。


広津は素早く葉巻の火を消し、懐の棄函に仕舞った。

黒服の全員が胸に手を掲げて最敬礼を行った。

「待ってね今、この難関面をクリアする所だから__あ、拙い、抜かれた!
喰らえ爆撃!
げえ、避けられた!」


太宰は歩きながら、小型の携帯電子盤と格闘していた。

掌中の画面に気を取られすぎて、小さな段差でもあれば前のめりに転びかねない、ふらついた足取りだ。

「ああもう、この面を幾らやっても突破できないのだよ!
この急勾配が曲者でね、ここを潜る時に何時も__ああ、また抜かれた!」

「太宰殿」

何も云うことの出来ない部下達に代わって、広津がおずおずと声をかけた。

「ご足労、恐縮です。
武器庫警備の者が討たれました。
状況ですが__」

「マフィアの武器庫を狙うなんて命知らずは久方ぶりだね!
手口は?」

電子盤に意識を向けたまま、太宰が尋ねた。

「各、9ミリを10から20発受け即死。
その後、保管中の銃火器が盗まれました。
自動小銃が40挺、散弾銃が8挺、拳銃が55挺。
狙撃銃が2挺に手榴弾が80発。
起爆式の高性能爆薬が合計18瓩。
出入りを管理する電子暗証錠は、正規の番号で解錠されております。
番号の流出経路は未だ__」

「じゃ見てみるよ。
これお願い」

「は」


突然携帯電子盤を渡されて、広津の表情が固まった。

「中盤コースの直線でタイミングよく加速装具を消費うのがコツだよ。
それで、死体は?」

「は、その、遺体は消波岩の傍に並べて__む、こ、これはどのように釦を押せば」


電子盤を逆に持って慌てる広津をよそに、太宰は軽い足取りでそちらに向かった。


*

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包帯

ラッキーキャラ

織田作之助


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ミュウ=ムー(プロフ) - 教えてくださり、ありがとうございます。 (2018年9月20日 19時) (レス) id: 1429768fb6 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - オリジナルフラグははずさないといけませんよ。違反行為なので (2018年9月20日 19時) (レス) id: 8d50bc542b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:皇帝ペンギンM← | 作成日時:2018年9月19日 21時

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