美味しい食事。 ページ1
ベリアンに手を引かれるまま、食堂に向かう。食堂に着くと、ベリアンがドアを開けてくれた。
「どうぞ、主様」
「……ありがとう」
ベリアンに礼を述べ、ベリアンと共に食堂に入った。
「うま…うま…。このササミ、美味しいですね!」
食堂の机の上では、猫がササミを食べながら、何やら感想言っている様子だった。バスティンがそれを眺めている。
「…あの、バスティンくん。これは、一体何があったんですか?」
ベリアンが苦笑を浮かべつつ、バスティンに尋ねた。バスティンは「あぁ…それか…」と、話を切り出す。その時、奥の厨房らしき場所からロノが出て来た。
「…おい、バスティン!………って、主様!?それに、ベリアンさん!」
調理服なのか白い服を着ながら、両手に皿を持っていた。それを素早く食堂のある机の上に置くと、慌てて再び食堂の向こうに消える。そして、もう一度往復をすると、料理を置いた机の椅子を引く。
「主様!お食事準備出来ました。こちらへ、どうぞ!」
美味しそうな食事の匂いが鼻を掠める。空腹で堪らなかったわたしは、ついつい呼ばれた方へ歩いて行った。
「疲労回復に効果がある物を用意させて貰ったぜ!……じゃなくて、貰いました!
パプリカの黒酢マリネと鶏肉と林檎のソテーに、かぼちゃのスープです!デザートも用意しているので、楽しみにしていてくださいね!あ、それと、主様は米かパン、どちらがお好みですか?」
椅子に座るとロノが丁寧に食事の説明をしてくれた。ロノの話には、疲労回復がある物が多い様で、いかにわたしを気遣ってくれているかが分かる。
「…ありがとうございます。ロノ。それと、お米が食べたいです」
そう伝えれば、ロノは「かしこまりました!」と言って、厨房に消えて行く。きっと、お米をついでくれているんだろう。
(……優しい人。この屋敷に居る人は皆優しい…)
優しい人の周りには優しい人が集まる、なんて昔聞いた事があるが、こんなに身に染みて感じるなんて思ってもいなかった。
その時、わたしの食事を見て、拾った黒猫さんが口を開いた。
「…うわぁ!……とっても美味しそうですね!僕も食べたいです」
「…猫さん、これは主様の食事ですから、流石に食べちゃダメですよ」
「そうだよ、猫ちゃん」
黒猫さんの言葉に、ベリアンとルカスから注意が飛んでくる。黒猫さんは少し残念そうにしながらも「分かっていますよ」と呟いた。
「それにしてもルカス居たんですね。気付かなかったです」
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いちごみるく(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!色々大変だとは思いますが、どうか物語の完結まで頑張ってほしいです…! (2023年2月20日 1時) (レス) @page7 id: f6b69ae75f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 2023/02/19 (2023年2月19日 12時) (レス) @page7 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - 星空ブリキさん» 夜分遅くに返信失礼します。コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて感激です(;;) 応援のお言葉が執筆のモチベに繋がります…!これからも頑張りますね! (2022年7月18日 0時) (レス) id: ed110b5660 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 昨日あくねこを知って、それからハマりました。めちゃくちゃ面白いです、頑張ってください! (2022年7月17日 7時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - 瑠華さん» コメントありがとうございます!そして、返信遅くなり大変申し訳ありません。続編、やっと入りました。遅筆ですが、楽しみにして頂ける様頑張ります! (2022年7月10日 0時) (レス) id: ed110b5660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みょん | 作成日時:2022年6月29日 18時