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『待ってください』
無花果「……何だ」
『…彼らを、許して貰えませんか?』
乱数「…姉さん?」
無花果「………情でも湧いたか?」
『…ただ一人の人間としてです』
無花果「そんなもの、何の役にも立たん。
こいつらは処分だ」
そう言うと、女の人達は全員マイクを起動した。
ブォン
ブォン ブォン ブォン
ブォン
ブォンブォン
乱数「…なっ」
偽1.2「「…ッ!!」」
『…!!…待ってください!』
無花果「…さぁ、我々の力を思い知れ!!」
.
.
……彼らは呆気なく処分されてしまった。
彼らが残したマイクに、私は手を触れた。
『……なんで』
乱数「…姉さん?」
『…どうして?彼らも同じだった。
私達と同じく、道に迷って、戻り方がわからなくて、どうしようも出来なくて…
誰かに"助けて"って言いたかっただけなんだと思うの……
なのに…なんであんなに簡単に……』
彼らを処分した後、女の人達は何食わぬ顔で去っていった。
無花果様は
「これ以上、面倒なことは起こすな。
No.0317、今回は見逃してやろう。だが、貴様は我々の手の中にあることを忘れるな
……貴様のようなやつに、感情を与えてる意味をもう一度頭に叩き込んでおけ」
そういった消えていった。
ポタッ
ポタッ
乱数「…!!…ミーナ」
『…なんで!!…こんな、こと…
尽くすって、何?』
私は、初めて涙を零した。
人の思いに触れ、感情を理解した……
でも、こんなに苦しい事だったなんて、思わなかった。
『……私、強くなりたい』
乱数「…うん」
『………自分の手で、何かをつかめるように
もう誰一人、あんな姿にしないように…!!』
乱数さんは私を優しくつつんだ。
乱数「…大丈夫、ボクらは姉弟だよ
僕がそばに居る。僕が守るから……」
私は乱数さんの背中に手を回し、肩に顔を埋めた。
乱数さんは、優しく私の頭を撫でた。
涙腺は緩くなり、とめどなく涙が溢れた。
私は初めて、人の……姉弟という名の温もりに触れた。
乱数さんはずっと、私のそばにいてくれた。
.
_________その時の温もりと、手の温かさは、4年経っても消えることは無かった……
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さくら海(プロフ) - みんさん» ありがとうございます!!!頑張ります!!! (2020年5月31日 11時) (レス) id: eba3e9a097 (このIDを非表示/違反報告)
みん - んぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃいい話!!感動しちゃいますぅ……更新楽しみにしてます!!!頑張ってください(*´∀`*) (2020年5月16日 2時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら海 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuraitkn1/
作成日時:2020年3月2日 12時