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13、愉快明快探偵社員 ページ13

××



入ってきた面々を見て、Aは言葉を失った。
理由は皆、あまりにも個性が豊か過ぎるからだ。
一人目は何処かで見覚えのある麦わら帽子を被った少年、二人目は蝶の髪飾りが特徴的な妖艶な美貌を持った女性、最後の一人は鳥打(ハンチング)帽に探偵風の装いをした男性だった。頑張って彼らの共通点を探してみるが、これといった共通点は見当たらない。


「なンだ、怪我人はなしかい?つまんないねェ」


与謝野晶子───
【能力名】『君死給勿』



「はっはっは!中々出来るようになったじゃあないか、太宰。まぁ、僕には到底及ばないけどね!」


江戸川乱歩───
【能力名】『超推理』



「でもそのヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」

宮沢賢治───
能力名『雨ニモマケズ』



「どうする、太宰?一応区の災害指定猛獣だぞ」

国木田独歩───
【能力名】『独歩吟客』



「うふふ。実はもう決めてある」

太宰治───
【能力名】『人間失格』



Aは呆気に取られながら、その光景を見つめていた。見知らぬ人間達に囲まれ、意味の分からぬ会話を交わされ、非常に居心地が悪い。


「あれ、その子はどちら様ですか?」


麦わら帽子を被った少年が、不思議そうにAの顔を覗き込んで来た。Aは肩を揺らし、顔を上げる。真っ赤な瞳の中に賢治が映った。


「うわぁ……綺麗な瞳ですね!」


賢治は赤子のように純粋無垢な瞳を細め、微笑んだ。瞳だけではない。雪のように白い肌も、新鮮な果実のような唇、Aを構成するパーツひとつひとつが美しい。


「な、なんて自然(ナチュラル)な口説き文句……賢治くん、恐ろしい子!」

「……おい、太宰。それでどうするんだ」

「決まっているだろう」


太宰は至極当然のように笑った。


「うちの社員にする。二人とも」


夜の倉庫に、国木田の叫び声が木霊した。
Aは、というと太宰の奇想天外過ぎる提案に驚愕を通り越して固まっていた。




これが、事の始まり。

怪奇ひしめくこの街で変人揃いの探偵社。

これより始まる怪奇譚

これが先触れ前兆し



七竈A
【能力名】『少女七竈と可愛そうな大人』


中島敦
【能力名】『月下獣』




**

14、偶然なのか必然なのか→←12、その少女、魅惑につき



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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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