自慢の彼女【及川徹】

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「だ」


試合終了後すぐに田中はこちらへ向かって来るなり、私の隣にいるスガと水分を補給しに来た大地に向かって発した一言。



((だ？))


「大地さんもスガさんも…
あいつらにあんな攻撃使えるって見抜いてあんな事言ったんスか！？」



田中が言っているのは、
大地の「烏野は爆発的に進化する」という言葉と、
スガの「仲間のこと見えないはずがない」という言葉の２つだろう。




「そんなわけあるか！俺は日向に打ちやすいトスあげたれって意味で言ったんだよっ」


「俺は多少無茶苦茶なトスでも日向なら合わせられるようになるかなって…でもいい意味で裏切られたな」



口々に言う田中に対しての否定。
10+10となると期待していた大地もまさか10×10になるとは想像つかなかったようで。





「大地の言う通り、烏野は爆発的に進化するかもね！！」




私の言葉に３人は笑顔で頷き、近い未来への希望を感じたのだった。




そして、入部届を受け取り潔子へと渡す。
１年生たちに烏野高校排球部と印刷されたジャージを配り、これにて新しい年のスタートとなった。




「………一応、一段落ついたな。」


「スガも田中も、それとAも。なんか色々やってくれてたんだろ？」



「「「え！っと…」」」



「とりあえず丸く収まって良かった。ありがとうな」



そういう大地にスガと潔子が肩を叩き、私はタックルをかまし揃ってこう答えたのだった。








「「「おつかれ」」」




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