お隣さんは女たらし【羽宮一虎】 (ページ13)

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主役は遅れて登場するものですページ13

千冬「あ、やっときた。」

A「・・・ごめん、迷惑かけて。」

千冬「ほんとですよ。ちゃんと二人で話し合ってくださいね。」

呆れた顔でいう千冬くん。

千冬「一虎くん、Aさんきたから俺帰りますからね？じゃあ、あとはお願いします。」

A「・・・は、はい。」

床に寝っ転がっている羽宮さんに近づき、声をかけた。

一虎「A・・・？」

A「そうです。」

私の名前を呼んで、顔を上げた。

そして彼はいきなり抱きついてきて、私の首に顔を埋めた。

一虎「なんで今日きてくれなかった・・・？なんか俺悪いことした？」

そういって、今度は私の顔を見つめる。

A「・・・他の女の子と歩いてたから。」

一虎「・・・へ？」

A「私が引っ越す前日に会ってた女の子と、今日もあってたから・・・私は遊びなんだった思ったから・・・」

一虎「・・・？あ、もしかしてヒナちゃんかな？」

A「わかんないけど、可愛らしい小さい女の子。」

わたしがそういうと羽宮さんはスマホを出し、写真を見せてくれた。

そこには私が言っている女の子がウェディングドレスを着てる姿があった。

隣にタキシードをきたちょっと冴えない男の子が立っている。

千冬くんのいう通りだった。

A「ちゃんと聞かなくてごめんなさい。」

勝手に勘違いして、無視しちゃって、こんなになるまで飲ませて申し訳ないなと思い、羽宮さんに「ごめんなさい」を伝える。

羽宮さんはもう一度私を抱きしめて耳元でこう言った。

一虎「・・・他に女いるって勘違いしてた？」

A「・・・はい。」

一虎「だから今日来なかったの？」

A「はい。」

わたしはそう返事をしたら、さらに羽宮さんは耳元でこう囁いた。

一虎「ヤキモチ妬いてくれた？」

ヤキモチ・・・

これはヤキモチになるんだろうか。

A「ヤキモチなのかわかんないけど・・・」

羽宮さんはうまく言葉にできないわたしの頭を撫でなでてくれた。

A「ほかの女の子と歩いてるの、すごくいやだった。」

一虎「うん。」

A「・・・わたしのことすきっていってたじゃん。って思った。」

一虎「うん。」

A「わたしだけ気になってたんだって思った。」

思っていることを伝えると、羽宮さんがわたしを抱きしめる力が強くなった。