お隣さんは女たらし【羽宮一虎】 (ページ12)

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あのあとすぐに家に帰った。

お風呂に入って、いつも通り寝る準備をする。

ずっと好きだとか付き合ってとかそんなこと言われてたせいだ。

どこかで勘違いしてたんだ。

そもそもあんなイケメンで女たらしがわたしに本気になるわけないのに。

そう思い、わたしはコンビニで買ってきたビールをあけ、飲もうと思った時だった。

ふと携帯をみると、羽宮さんからのラインがたくさんきていた。

「そろそろつく？」

「まだあー？」

「なあ、なにしてんの？」

「約束忘れてる？」

「もしかして何かあった？」

10分おきに送られていたメッセージ。

20時以降は諦めたのかメッセージはきていなかった。

スマホを置こうと思ったときだった。

スマホが震え、画面には「千冬くん」の文字。

A「もしもし？」

千冬「あ、Aさんですか？」

A「そうだけど、どうしたの？」

電話は千冬くんからだった。

以前お店に行った時に、なにかあったときにって交換したんだった。

千冬「一虎くんが酔っ払ってくだまいて、ずっとAさん呼べってうるさいんです。だから早くきてください。」

今更そんなこと言われたって困る。

お風呂だって入ったし、わたしはこれからビールを飲むつもりだ。

A「早くきてって言われても・・・どうせまた違う女の子と飲んでたんじゃないの？」

千冬くんにそう伝え、電話を切ろうと思った時だった。

千冬「・・・なんでそう思うんですか？」

少し低めの千冬くんの声。

A「だって今日、女の子と一緒に帰ってるの見たし。」

千冬「一虎くんにその女の子が誰か聞いたんですか？」

A「聞いてないけど。前もその子が部屋に入っていくの見たし・・・」

わたしがそういうと、「はあ。」と電話越しにため息をつく千冬くん。

千冬「多分その子は俺らの友達の嫁です。一虎くんはAさんのこと本気だったから女の子全員きってるんですよ？だからAさん、早くきてください。今一虎くんちにいるんで！！」

千冬くんがそういってる後ろから、「A・・・どこいるんだよお・・・」という彼の声が聞こえた。

A「10分で着くと思うから待ってて。」

私はTシャツとGパンに着替えて、車を走らせた。

ビール飲まなくてよかった・・・

そして約束通り10分後。

前の私の家兼羽宮さんの家に着いた。