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薄暗いオレンジ色のダウンライトの下、私は御幸の隣のスツールに腰掛けながら、テキーラサンセットの入ったグラスを揺らした。
淡い赤ピンク色の液体が、ゆらゆらと揺れて、輝く。あまりにも綺麗なそれに口をつければ、ひんやりとした酸味と甘味が口いっぱいに広がった。
「どう?」
「……美味しい」
何故かあの後御幸に連れてこられたのは、御幸行きつけの少しお高いバー。人気も少なく照明は薄暗くされているため、プロ野球選手として有名な御幸でも行きやすいところらしい。
見た目の綺麗さだけで選んだカクテルにほんのりと酔いながら、机に突っ伏す。隣で余裕そうな笑みを浮かべている御幸が、なんだかいつもよりも少しカッコよく見える。
「…………御幸に惚れればよかったのかな」
「はっはっ、お断り」
「ほんとクソ……」
はああ、と大きく溜め息を吐いて目を閉じると、御幸の大きくてゴツゴツした手が頭に乗せられる。ポンポンと優しく撫でてくれるそれが妙に鼻にツンときて、ついに堪えきれずに涙が一筋流れてしまった。
あーあ、我慢してたのに。あんたがそんな優しいことするからだよ、と目で訴えれば、泣いている私を見て御幸はまた優しい笑顔を浮かべた。
「……あの場でよく頑張ったよ」
「…………」
「偉かったな」
いつも意地悪なことだけを言ってくる御幸の優しい言葉以上に涙腺を緩ませるものはなくて。溢れ始めた涙を拭いきれずに机から顔を上げれば、御幸が顔を近づけてきて、私の目尻にちゅっと音をたてた。
「な、に……してんの」
「慰めてる」
「……馬鹿じゃないの…………」
馬鹿じゃねーよ、と言いながら頬に伝う涙を弾く彼の目が、私の目を真っ直ぐに捉える。彼も私と同じで酔ってしまっているのだろうか。だからこんなに人肌が恋しくなっているのだろうか。
御幸の目の熱っぽさに、胸の奥の方がざわざわする。
「…………なあ、このカクテル、どう意味があるか知ってる?」
「……知らない」
「なら教えてやるよ。テキーラサンセットの、意味は――――――――――」
慰めて。
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shinox2(プロフ) - 無事に終わって良かったです(^-^) (2019年1月4日 19時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - あおいさん» 返信遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます、すごく嬉しいです。これからも少しずつ更新を続けていきますので、どうか完結までお付き合いください。 (2018年9月3日 23時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - いつも更新するのを楽しみにしつつ読んでいます!大変かもしれないですが、応援しています☆ (2018年8月19日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ますみさん» はじめまして。応援ありがとうございます!がんばらせていただきます!!〜 (2018年8月19日 19時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - はじめまして。御幸とヒロインの関係を読んでいていいなと思いました!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年8月11日 9時) (レス) id: b7489a665b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりん | 作成日時:2018年4月15日 20時