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#20 ページ20

そして、少し早めの忘年会当日。あれから何日も会ってないけれど、御幸のことは、やっぱりずっと頭から離れなくて。


 向こうからの連絡もなく、こちらからすることもなく。悶々と悩むだけの日々を過ごしてきて、多分一生分の分の溜め息を吐いたと思う。


 今でも気を抜けばすぐ出てしまいそうな溜め息を堪えて、目を瞑る。明日からはしばらく仕事も軽くなるし、と気を楽にする。


 「かんぱーい!」という先輩の声を皮切りにして、忘年会とは名ばかりの飲み会が始まった。回されてきた生ビールを、一口。


 ゆらりゆらりと段々回ってくるアルコールの感覚が気持ちいい。今日くらいは、たくさん飲もう。……こんな日も、あっていいよね。


 酔いが深くなれば深くなるほど、頭の中にいる御幸の姿は薄れていって。このまま考えないでいられたらいいのにと更にアルコールを摂取する。


 自分があまりお酒に強くないということすらも、すっかり忘れて。運ばれてくる肉やらお摘まみやらを食べまくって。


 忘年会が始まってから一時間半。少しだけ残った意識の中に映る、べろんべろんになった上司の姿を捉えて。


 何がなんだかわからず、やけくそになって浴びるように酒を飲んで。……ヤバイと思った頃には、もう遅すぎて。


 「そろそろお開きの時間だ」なんていう先輩の声も、聞こえてるんだか聞こえてないんだか、わからないような状況で。


 同僚の男性に肩を貸してもらってお店を出る。足にはほとんど、力が入らない。


 ああこれ、だいぶヤバいな、でももう、どうでもいいか、なんて思いながら。


「……水野さん飲み過ぎちゃったみたいなんで、俺がどうにかしておきますね」


 なんて、そんなことを言ってる同僚に危機感を覚えて。でももうどうしようもなくて。こんなことになっても働かない頭に情けなさを感じる。


 同僚に引きずられている先にホテルが見えて。ああもうダメだ、と。どうにでもなれ――――と、目に涙が浮かんできたその矢先。


「すいませーん。……俺の彼女が、どうかしました?」


 ホテルの入口のすぐ目の前で、ずっと聞きたかったその人の声が聞こえてきて、思わず、涙がこぼれた。

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shinox2(プロフ) - 無事に終わって良かったです(^-^) (2019年1月4日 19時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - あおいさん» 返信遅くなって申し訳ありません。応援ありがとうございます、すごく嬉しいです。これからも少しずつ更新を続けていきますので、どうか完結までお付き合いください。 (2018年9月3日 23時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - いつも更新するのを楽しみにしつつ読んでいます!大変かもしれないですが、応援しています☆ (2018年8月19日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ますみさん» はじめまして。応援ありがとうございます!がんばらせていただきます!!〜 (2018年8月19日 19時) (レス) id: beb33fecd4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - はじめまして。御幸とヒロインの関係を読んでいていいなと思いました!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年8月11日 9時) (レス) id: b7489a665b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みりん | 作成日時:2018年4月15日 20時

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