狐が18匹 ページ22
『その…いろいろごめん、棘先輩』
泣き止んだら泣き止んだで恥ずかしくなってくる
なんとか縮こまりたくて女に化ける
狗「おっかかー」
棘先輩は俺の頬を片手でむにむにする
楽しいのかな…
『棘せんぱっ…それ楽しい…?』
むにむにされているせいでたまに言葉がつまる
そんな俺を見て棘先輩は「しゃけ〜」と言って笑う
『…ふ、ふふっ…ありがと、棘先輩』
狗「すじこ!」
ちょっと子供っぽいのに
変なところで大人っぽい
…パンダ先輩から、棘先輩が生まれてすぐに呪言を使えるようになって、苦労したって言うのは聞いていた
似たような気持ちが分かるんだろうか_
『ねぇ、棘先輩…ちゃんと守られてね』
狗「?」
きょとん、とする先輩
呪言は強力故に代償もデカい
__何かあった時に、それを肩代わりできるのは大きい
守りたい
1年も、2年も関係なく
『よし、…それじゃあ、棘先輩、おやすみ』
狗「しゃけー」
棘先輩は手を振って部屋の方に戻って行った
さて…寝る前に少しやってみるか
〜自室〜
『…』
ベッドの上で座禅を組む
集中しろ…
自分の生得空間(心の中)を見つけ出せ
その中にある…残りの尾
掴め、引き出せ
『…っ、はぁっ…』
呼吸が止まる
慌てて呼吸をしようとして咳き込む
『〜っ、……でも、掴めそう…』
息を整えてまた集中する
簡単に尾は掴めない
見つけることすらできないこともある
そして、朝日が昇る頃
『ゲホッ…おぇっ……っ、掴んだ』
自分の尾を見る
3本の尾がゆらゆらと動いていた_
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伏「……増えてる」
『増えました』
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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時