狐が17匹 ページ21
虎杖と七海の所はカットします、すいません…
今回は狗巻先輩との絡みです
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その日の夜
『…はぁ』
なかなか寝付けず真っ暗な寮の廊下を歩く
こんな暗い中なのに、呪いが来る心配をせずに歩けるなんて…結界がある中だけだろう
『…』
寝れない理由なんて分かっている
目を瞑ると聞こえてくる
『化け物…か』
しっかり気にしてやんの
ほんと…弱い
外に出て適当な屋根に座る
そよ風が吹いている
『…っ…』
唇を噛み締めて
ギュッと着ている着物を握る
狗「明太子?」
『!!』
突然の声にバッと顔を上げて
声の主を見つめる
『狗巻先輩…』
狗「しゃけ」
なんでこんな夜に…
ここに来るまでで見られてた?
グルグルと考えていると
狗巻先輩は隣に座ってこっちを見つめる
…言いたいことはなんとなく分かる
『…あのね、先輩』
声が震える
寒いせいではない
『…別に、直に言われた訳じゃないんだ、けど…』
先輩の目を見れない
ただ下を見る
『…ちょっと前まで普通の高校生で、ただ宿儺の指を取り込んだ虎杖が…化け物って、言われたんだっ…』
息が詰まる
喉がひりつく
狗巻先輩は黙って話を聞いている
『じゃあさ…妖狐の俺はっ……化け物なのかなぁっ……穢らわしい人外…なのかなっ…』
ぼろっと目から涙がこぼれ落ちる
それは1回落ちたら、次々と流れて_落ちていく
止まらない
狗「おかか」
その声が聞こえたと思うと、包み込まれる体
血の気が引いていた体に熱が帯びる
『…っ』
声を押し殺して泣く
狗巻先輩の服が俺の涙で濡れていく
狗「すじこ、高菜」
そう言って狗巻先輩は一旦抱きしめるのを止めて
自分の服のファスナーを下ろして口を見せた
狗「ツナツナ、こんぶ」
『…先輩のそれ、綺麗だね』
狗巻家のものらしいけど
俺は狗巻先輩のこの模様が好きだ
狗巻先輩からしたら嫌なのかもしれないけど
狗巻先輩はそれを聞いてポカンとする
数秒後、子供のようにケラケラと笑った
狗「高菜(Aもね)」
『…っ!』
その言葉にまた涙が溢れる
化け物じゃない、綺麗だって、そう言ってくれた
今だけ__今だけ弱いとこ晒させて
そう願って、俺は狗巻先輩の体に寄りかかった
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狗「いくら」
『え、……棘先輩…?』
狗「しゃけー」
『1人だけ苗字、気にしてたんですね…』
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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時