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狐が1匹 ページ2

『うへぇ…慣れない…』


そんなネガティブな言葉を吐きながら制服に腕を通す
うん、鏡を見てみても違和感しかない



『え、これで大丈夫なのか…』

1人でうーん、と唸っていると
軽いノック音が2回響いて扉が開かれた


「や、A。準備できてるみたいだね」

ノックはされたが返事はしていない…
そんな気持ちを込めて、目の前の男、五条悟を見つめる


「うんうん、似合ってるじゃん。どう?初めて着る制服」

『すっごい違和感、もう脱ぎたい』

正直落ち着かない
普段着物勢の気持ちも考えてほしいものだ


「Aが言うと変な意味に聞こえるね。登校初日の発言は気をつけた方がいいと思うよ」

ケラケラと笑いながらそう言う悟に『ご忠告どーも』と軽く流す
悟とは長くはないが、それなりの付き合いだ。
今更何を言われてもそこまで気にしない



『それより、他の人に俺の事どう説明してあんの?』


そう、登校初日とは言ったものの
もう俺以外の1年生徒3人は揃っているようだ
悟が何かを変なことを伝えていないか、それだけが心配なのだ

「えー?先祖返りのことしか言ってないけど、それ以上説明して良かったわけ?」

『いや、いい。絶対言わないで』


それ以上、それは即ち余計なことまで言うことだ
さすがにこれから来るやつがドMだと知ってみろ、俺もあっちもどんな顔したらいいのかわかんないよ


「どーせ実戦始まったらバレるのに」

『第一印象大事』


後でどうバレようがいいのだ
第一印象!大事!
まぁ、悟自身、ここに来るやつはイカれたやつらって言ってたから大丈夫だろう…多分

「んじゃ、行くよ。A」

『はーい、五条せんせ』


いつも絶対に呼ばない呼び方で返事をし、にんまりと笑ってみせる

__________________

「Aが五条せんせ、とか気持ち悪いねw」

『可愛い生徒って言って』

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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時

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