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「いらっしゃいませ」



反射的に声をあげて顔を向ければ長身で目付きの悪い赤色の髪をした20代だろうと思われる男性が一人入店してきた。




いかにも、って感じだな。






ボーイが空いてるカウンターへ通す。



見た目は怖い、いかつい、デカイ




ヤクザ?とりあえず目付きが鋭い。


あぁ、あたし絶対話しきらないタイプかもしれない。



「ねぇねぇ、Aちゃん!話の続き。デートはいつ?」


「えー、デート?俺も行きたいし!てか、合コンしよ、合コン」



勝手に話を進めないでほしい。
てか、良いとも一言も言ってない上にまず、自分の顔を鏡で見てから言ってほしい。失礼極まりないが、そんな言葉が次から次へと出てくる。



イケメンでも金持ちでもないくせに。





困ったように笑いつつ、無意識に先ほど入店してきたヤンキー新規さんに目を向ければ、ばちりと目が合い急いで目を反らす。







び、びっくりした…。





ヤンキー新規さんにはボーイがついていたが、会話が弾んでなく困った様子のボーイがお酒を作っていた。





「ねぇ、合コンいつすんの?」
「いや、俺とデートでしょ!」
「先に合コン!巨乳連れてきてね」
「お前は本当に巨乳好きだな、Aちゃんには興味なしってか」



大きな笑い声があがる。
まてまてまて。好き放題言いやがって。
そもそも何度も言うが私は良いとは言ってない。



話の内容が加速していく。





少し感情が顔に出てしまう、が
この酔いちくれにはわからずに爆弾が投下される。


「そもそもAちゃんって何カップよ」

「おいおい、からかうなよなー」




ぎゃはははは、と笑う二人を眺めていた。






本当に、これだから男は嫌だ。







あぁ、もうしんどい。





夜の仕事は苦ではない。





だからといって楽でもない。






楽しいことばかりではない。







だからと言って嫌なことばかりでもない。







嫌なことがあればいいことがある。





わかっている、わかってるから。









だから私は―、









「嬢ちゃん」









ふいに低い声がして、はっと我にかえる。


声がした方に目を向ければ、赤髪のヤンキー新規さんと目線がかち合う。









「男同士の会話にもそろそろ飽きてな。・・・俺についてくれねぇかなと思ってな」






救いの手が差しのべられた。・・・そんな気がした。

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あるびおん(プロフ) - Mashiro Lioさん» コメント頂き有難う御座います。とても褒めてくださって、感謝しかないです!適当な内容にしたくない為に更新は遅くなりがちですが、気長に見てくださると助かります。今後のストーリーの展開も、予想外になる可能性がありますがお付き合い下さいますと嬉しい限りです。 (2020年11月7日 18時) (レス) id: 8484e311ec (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 昨年度から拝読しております。本当に素敵なお話で、初めて見たとき、つい読み入ってしまいました。地の文の描写が全体的に綺麗で、ストーリーも続きが気になって、もっと伸びろ!と毎度思います。これからも、ご無理のないように更新頑張ってください。 (2020年10月26日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるびおん | 作成日時:2019年2月12日 7時

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