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「えっ、どう言うこと・・・」


私は何度もパラパラとページを捲る。











今日は定時で帰れた。


夜はお店の出勤もないし、職場でも失敗なく終われた。
今日はかなり気分がいい。


先日買った本を読もうと思い楽しみにしていたのだ。

帰宅して軽く食事を済ませてお風呂にゆっくり浸かる。
お風呂から上がり時計を見るが、まだ20時前。



・・・ゆっくり出来る!



自室へと向かい机に置いたままにしていた本を手に取り、さあ読もうと開いて唖然とした。




「・・・なにこれ」









白紙なのだ。





どこのページを捲っても、白紙。白紙。白紙。







「あのおじいさん、・・・詐欺師?」





ふと、記憶を辿る。















「・・・失礼します」


店のドアを開けると人の気配のない空間に、ぼそりと呟いた言葉は誰に届くわけでもなく消えた。


それでも、何も言わないで入るよりマシだろう。


だが、入っても大丈夫だったのだろうか。


もしかすると、古本屋ではなくただの誰かの家だったり・・・?

数歩進み店内をゆっくりと見渡せばレジが見えた。


ほっ、と胸を撫で下ろしたその時。



「なんのようじゃ」




ビクッと肩を震わせて振り返れば、眼鏡をかけた60代であろう男性がじーっとこちらをレンズ越しに睨みつける。



「なにか、本を、買いに」



言い終わるや否や、おじいさんは好きに見ていけとレジ横にある木でできた椅子に腰掛けては本を読み始める。







しんと静まり返った店内には私が歩く度に響く足音と、偶に聞こえてくるおじいさんのページを捲る紙が擦れる音のみで非常に居心地が悪い。



はやくお店から出たい気持ちもあるが、何も買わずにでるのもさすがに悪い気がする。


何でもいいから手に取ったものを買って帰ろうと思い、近くの棚から一冊の本を手に取ろうとした時、おじいさんが話しかけてきた。



「なにか、捜し物か」





と。

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あるびおん(プロフ) - Mashiro Lioさん» コメント頂き有難う御座います。とても褒めてくださって、感謝しかないです!適当な内容にしたくない為に更新は遅くなりがちですが、気長に見てくださると助かります。今後のストーリーの展開も、予想外になる可能性がありますがお付き合い下さいますと嬉しい限りです。 (2020年11月7日 18時) (レス) id: 8484e311ec (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 昨年度から拝読しております。本当に素敵なお話で、初めて見たとき、つい読み入ってしまいました。地の文の描写が全体的に綺麗で、ストーリーも続きが気になって、もっと伸びろ!と毎度思います。これからも、ご無理のないように更新頑張ってください。 (2020年10月26日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるびおん | 作成日時:2019年2月12日 7時

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