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「・・・え」



予想外であろう状況にいつまでたっても口の塞がらない紅郎さん。



「あ、いえ。お礼させてください。紅郎さんだって買う物があったのにそっちのけで荷物運んで頂いたて・・・。夜ご飯くらいご馳走させて下さい」



ご馳走って程のものでもありませんが、と付け加えて頭を下げるも中々返事は来ず。

恐る恐る顔を上げて見れば、ほんのり朱に染まった頬を掻いては悩んでいる様子。



「別にお礼なんざされる様な事してねぇし、見るからに一人暮らし・・・だよな。その・・・」



歯切れの悪い言い方に、こちらを見ようとはしない。



「た、ただご飯食べるだけです!今晩はカレーです!!」



そう言えばまだ少し迷う様子を見せるも、やっとこちらを見てははにかむ。




「・・・そ、それもそうだな。嬢ちゃんがそんだけ言うなら」




やっと乗ってくれた彼に小さくガッツポーズすれば笑われた。














「紅郎さんは座っててください・・・!」



「サラダぐらい俺に任せろよな」



「それじゃあ意味が無いです!」



「ん、このトマト美味そうだな」


さっきからずっとこれだ。
大人しく座って待って欲しかったのにやたらと何かを手伝おうとする。


「す、すぐ終わらせますから・・・」



「しかし、嬢ちゃん中々手際がいいな」


隣に立つ彼に少し緊張する。手元をまじまじと見られては、やりずらい。




「サラダも私がしますから!」




顔上げてキッと睨めば喉を鳴らして笑う彼。
こりゃ失礼したなって、大人しくテーブルに座る。が、離れても視線は感じて。ゆっくりとそちらを見ればしっかりと目が合う。



「・・・あのー、テレビでも見ててください。それか、本とか読みます?小説もありますし、漫画とかもありますよ」



彼の眉がぴくりと動くのがわかった。




「・・・へぇ。嬢ちゃん本読んだりするんだな」



意外、というよりは感心したというような表情。隣の寝室に置いてますよと言えばいきなり頬を赤らめ余所余所しくなるも、遠慮がちに本を探しに行った。




彼の照れポイントがいまいち掴めない。












サラダも作ったし後は弱火で煮込んでルーを入れたら出来上がり。



そう言えば、紅郎さんの姿がない。
寝室で読んでるのかな。様子を見ようと彼の元に向かった。

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あるびおん(プロフ) - Mashiro Lioさん» コメント頂き有難う御座います。とても褒めてくださって、感謝しかないです!適当な内容にしたくない為に更新は遅くなりがちですが、気長に見てくださると助かります。今後のストーリーの展開も、予想外になる可能性がありますがお付き合い下さいますと嬉しい限りです。 (2020年11月7日 18時) (レス) id: 8484e311ec (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 昨年度から拝読しております。本当に素敵なお話で、初めて見たとき、つい読み入ってしまいました。地の文の描写が全体的に綺麗で、ストーリーも続きが気になって、もっと伸びろ!と毎度思います。これからも、ご無理のないように更新頑張ってください。 (2020年10月26日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるびおん | 作成日時:2019年2月12日 7時

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