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拾伍話 ページ15

「毎度毎度、なんなの富岡。あんたモブの癖して出番多いわよ。引っ込んでなさい」



「随分と辛辣なことを云ってくれるじゃないか、黒狐」



「その名で呼ばないで」




探偵社から少し離れた路地裏に呼び出され、芙美子は不機嫌そうに壁にもたれかかりながら腕を組んでいる。


探偵社には友達と会うと言って出てきた。




「つれないなあ」



「早く要件を云って。帰りたいの」




表情が険しくなり、なんだか声音もだんだんと低くなる。




「おっかないなあ。じゃあ簡潔的に云おう。麻太郎さんが倒れた」



「....お父様が?」





仏頂面だった芙美子のまゆがぴくりと動く。


壁に預けていた背をはなし、富岡と向き合う。




「それは本当?」



「嘘を云ってどうする」



「それもそうね....伝達ありがとう。それじゃあ」



「お大事お父様が倒れたのにそれだけ?」



「.....私も忙しいのよ」




鈴を鳴らし、富岡に背を向け探偵社へ帰る芙美子。


平然を装っているが内心、気が気ではなかった。





(まさか、お父様が....。でも今、帰るわけには行かないし.....)




鏡花のことや仕事の事でそう簡単には帰れず、
倒れた原因を聞いていないため、安否は判らない。



胸に蟠りを抱きながら探偵社の扉を開ける。




「芙美子!!どこ行ってたんだい!?探したよ!」



「友達に会いにいくって云ったじゃない。もう......大人しくしくれないんだから....」




帰ってくるなり抱きついてくる太宰をそっと引き離す。




「元気ないね?」



「気の所為よ。ほら、仕事しましょ」




太宰の背中を押し、自席につくよう促す。

芙美子も自席に戻り、電算筐体と向き合う。




父親のことを考えないようにしながら.....

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設定タグ:文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)  
作成日時:2017年2月9日 23時

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